優等生の憂鬱+
□後日談の後日談
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「で、相手のヴァンガードに攻撃して、ダメージゾーンに6枚置かせたほうが勝ちなのね」
「ああ、理解したなら始めるぞ。俺のデッキを使え」
「ええ」
私は櫂君のマンションにヴァンガードを教わりに来ていた。簡素であまり無駄なものがない部屋で、片付いていて綺麗だった。
彼からルールを口頭で教わっていたんだけど、容易に理解できた。私達はゲームを始めていく。
「スタンドアップ・ザ・ヴァンガード!」
「何それ?」
「ヴァンガードファイターが、ファイト開始時に言う掛け声だ」
「ふぅん、では私も言うわ。スタンドアップ・ザ・ヴァンガード」
少し恥ずかしかったけど、この言葉を高らかに誇らしく、まるでファイトを神聖な戦いなのだと讃えるように発した彼を見た瞬間、私も言いたくなった。
じゃんけんで私が勝ったから、私が先行。
トランプみたいなものでしょ。たかが、ゲームなのだから、余興に過ぎないわ。
「まず、コンローにバーをライド。続いて、コンローの効果を発動。後ろにコール。ターンエンドよ」