優等生の憂鬱+
□優等生の憂鬱+
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主犯格らしき奴が思い切り平手打ちをしようとするのを、咄嗟に腕を掴み止めた。
俺の存在に漸く気づいた奴等は、目を疑ったのか凝視していた。それもその筈だろう。本来であれば誰も来ないこの場に俺が現れたのだからな。
そして、自分たちが「している事」を見られたことでかなり焦っている筈だ。
しかし、俺は容赦なく指摘をした。
「何をしている?」
「え……あ……………」
「失せろ」
自分でも驚く程低い声が出た。威圧感もそこにあったのだろう。そのせいか、蛇に睨まれた兎のように身体を縮めると、奴等はどこかへと逃げていった。
俺は邪魔者が消えたお陰で、頼まれていた鍵を倉庫へ戻しにいけると安堵していた。