優等生の憂鬱+
□優等生の優越
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すると、どこからともなく、彼女のよく知っている声が聞こえてきた。まるで、この不協和音をさらりとかき消すようだった。
「……、低俗な交友関係を作るくらいならば、友達なんて作らない方がマシだ。そうは思わんか、三和?」
「えっ…、櫂?オレのこと言ってる?」
「いや、お前ではない。お前ではな」
「なんだ、びっくりさせんなよ…」
「そういう輩は独りでは何もできない。そして、誰かとつるんで他人の悪口を言う。勉強もろくにせず、他人にそうやって迷惑しかかけない。邪魔なだけだ」
「…お前、今日は口数多いよなぁ」
「そういう日もある」
櫂トシキは三和タイシと何時ものように昼食の仕度をしながら、淡々と何気ない会話をしていた。
窓を開けるために冷泉アイコ達の近くに居たことも三和の指摘以外に何時もと違っていた。