長編夢

□剣に宿る力
1ページ/3ページ




今日も師匠と剣の稽古



いろんな人の技を吸収し、独自の技に変えている



おかげで大分型も定まってきた





そして何より剣が使いやすい



抜刀もしやすいし、細くて軽い





ただし波打つ形状なので相手にけがをさせると大変なことになる


この剣、このフラムベルクの形状は傷を広げる・傷を抉る機能を持っている


ヘタにけがさせるとなかなか治らないのが厄介である



稽古の際は細心の注意を払わなければならない




が、これもまた剣の稽古なのだと師匠は言う



「傷つけなくていいモンを傷つけないようにコントロールするのも稽古の一環だ」




『コントロール…』




「言っておくが、コントロールするのと手加減するのとでは違うからな?」





『手加減なんてっ……しませんよ』




できるわけがない




手加減なんてしようものならあっという間にやられてしまう


















汗だくになりながら必死に剣を振う





柄を握り締めた手にはうっすらと血さえ滲んでいる





師匠との稽古はもはや生死をかけた本気の勝負なのだ






少しでも気を抜けばやられる





『くっ………ぉお!!』



「まだまだぁ!!!」




会心の一撃も軽くあしらわれる




が、ここで引くルキウスではないのさ




師匠の反撃を受けるフリしてかわし、横からの攻撃に出る




『っしゃぁ!!』



「うぉ!!」




『今度は俺の番です』





次々と攻撃を繰り出す



「ずいぶん腕が上がったなぁ!」


『ありがとうございます』




押しているのは自分の方なのに師匠の方が余裕がある




『師匠は余裕ですね』


「お前が相手だし?」


『そんなこと言ってると追い抜きますからね』


「楽しみだ!」



キィンッ



キンッ




シュッ








もらったとばかりに師匠に鋭い突きを仕掛けようとしたその時






『うっ』


「なっ?!」






光が突然あふれ出した




それは足枷からだった



『アスモダイ……?』




足枷からあふれる光はそのまま右手に握った剣へと移り、金属器の証である八芒星が刃に刻まれる





『え……?』


「ジンが……移った?」


『……んですか?』


「いや、今……」


『???』











アスモダイが器を変えたのか…?





だが何故今になって??





『……どうして』


「…王様に聞いてみようか」


『そうですね…』






















.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ