創作
□情動リンク
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結局ドベ2で走り終え、心身共に疲れてしまった。
すみにある木の下に座り込み一息つくと、心地良い風が吹いてきた。
先ほどまで走っていた場所では、なにやら別の競技が始まっていた。
あそことは別世界のような、静止した空間にいるような、
そんな錯覚におちいる。
どこか遠くのものを見ているようだ。
ゆっくりではあるが、心拍が安定してきた。
「頑張ったんだけどな……」
誰に言うわけでもない言葉が、空に浮かんだ。
「もっと速く走れてたら、何か、変わってたかな……」
びゅうと一回、強く風が吹いた。