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□意地っ張り
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制限時間目一杯に店内のスイーツを思う存分、たくさん食べて。

満足そうに息を吐く彼女は、とても愛らしい。


「もう食べられなか〜っ!」

「そうだね、じゃあ帰ろうか」

会計は割勘で、地下鉄のホームに戻って電車を待つ。

偶然空いていた椅子に座ると、サファイアは、あっと短く声をあげた。


「ん、どうかした?」

「か〜、ゴールド先輩が鬼ごっこに誘ってくれたこと……すっかり忘れてたったい…………」

「……鬼ごっこか」

うわあやっちゃった、と頭を抱えるサファイアだけど、いやゴールド先輩、サファイアを何に誘ってるんですか。

しかも鬼ごっこって!
あなた今いくつですか!!

先輩に軽く怒りを覚えつつ慰める。


「そういうこともあるよ、謝って、また今度サファイアから誘ってみたら?」

「う〜……そうする…………」

サファイアは体育会系だから、先輩・後輩な関係が厳しいのかもしれない、知らないけど。

ショックは計り知れないが標準語に戻りそうな勢いの彼女に、どう声をかけるべきか悩む。

ちょうどタイミングよく電車が来て、早く乗ろう、と当たり障りない言を告げた。



 ***



「…………うっ、ぷ」

少し気まずい沈黙を埋めるかのようにガタンゴトンとリズムよく奏でられる音を聞きながら。

隣の彼女をふと見ると、何だか顔色も悪くって。

こんなときに限って、何故だか混んでいる電車の中、ぎゅうぎゅうに押し潰されそうなくらいの人。

人に酔ったのか、食べすぎて電車ででも酔えるほどなのか。

不明だけれど彼女を電車の隅に追いやり、前に立ちはだかってやった。


「な、何ねっ!?」

「静かにして。こうしたら……少しは気分もよくなるかな、って」

人混みから切り離すように、彼女の前に立ち。

心なしいつもより力のない彼女の顔を、恥ずかしいけれど自分の胸の中に隠した。


「な、んで……急に!」

「気分が悪そうだし…………大丈夫?サファイア」

「ん、………むぅ」

不服そうなうなり声を残し、僕にもたれかかってくる。

やっぱり調子がよくなかったようだ、大丈夫だろうか。


「助かるけん…………今は、こうさせてほしか」

「うん、分かってる」

目を閉じて、ほうっと一息つく彼女。

人混みを避けるための対策で、改善策で、最善策のはずだけど。

腕の中に彼女がいると、心臓が速く鳴って痛いくらい。

だけども不思議と居心地よくて。

体調が悪い彼女には悪いけど、こんな日があるのも悪くないと思えてしまう僕は、相当重症だろう。




 意地っ

  (彼への甘えは、基本隠して)

















ルサだよ?
ルサだと言い張る。
私の書くルサはルサと言えないかもしれない。
サファイアのが強気だね、ルビーはとても皮肉屋で自虐的なイメージが(何故)。
レッドといいグリーンといい……私が男の子視点で書くと、みんなヘタレになるね!
ごめんね、似たようなものばかりで!

サンダーソニアは花言葉が「意地っ張り」ということで、ルサで電車酔いな話でした。
意地っ張りなのか……?

そして例のごとく花(サンダーソニア)が出てこない。

しかし、気にしないわ!←
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