pkmn

□気まぐれ。
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朝、目が覚めても特にすることは無くて、
でも何かしたくて、どうしようかと思っていたら。


「あ、レッドさん!?」

憧れの人が、通りすがりました。







気まぐれ。








「レッドさん!」

急いでドアを開けて飛び出して名前を呼んだけれど、
何か急いでいるのかレッドさんは気づいてくれなかった。


(何をしているんだろう……また挑戦でも、挑まれたのかなあ……)


ちょっと悪い気もするけれど、バレないようにレッドさんの後をつける。


バレそうでドキドキするけど、ボクは好奇心に勝てなかった。



「んー……どういう意味なんだ……?」



不意にレッドさんはうめくようにつぶやいた。




目を凝らすと、レッドさんは手に小さな紙
……メモ用紙かな?……を持っていた。


どうやら紙に書いている内容について、悩んでいるようだ。


って、状況を整理してもわけがわからない。




そもそもレッドさん、何でトキワシティの近くなんかに来ているんだろう?


あ、グリーンさんたちに会いに来たのかな。


コソコソと後を追い続けていると、ボクの背後からチュチュがあらわれた。






「わっ、チュチュ!?どうしたの一体!?」



チュチュは身振り手振りでボクに、ボクが見えたから来たんだ、と教えてくれた。


――それにしてもどうしたの?


そう言うかのごとく首をかしげるチュチュ。





チュチュの視線の先にはレッドさん……のそばを歩くピカ。





「えっと……隠れてるんだ、チュチュは行ってもいいよ?」




チュチュは『?』と頭の上にいくつも出すかのようにまゆをひそめた。



うう、やっぱり通じないかあ。




「気にしないでっ!ちょっとボク、その……」




思わずしどろもどろになってしまう。







「意味はないんだけどね……ちょっと、レッドさんが何をしてるのか、知りたくて」








チュチュはくすり、とボクを見て笑った。






「え、何で笑うのチュチュ!?」




あたふたと慌てるボクに、チュチュは背後――ボクの目の前を指す。
















そこには。
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