pkmn

□気まぐれ。
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「へ?」




チュチュ相手に話していたからボクはかがんで話し込んでいて、



前なんか気に止めていなかったわけで、
前方にはずっと追いかけていた背中があって……。




「れ、れれれれれっ!?レッドさん!?」




まるでこれじゃあ漫画みたいだ、と思いながらボクはさらに慌ててしまう。



おたおたと視線を泳がせると、足元ではピカとチュチュが楽しそうにしている。




(もう、チュチュっ!!)






思わず文句を言いそうになるけど、ちょっと以上にそれって理不尽だ。




怒りを静めようと、とりあえずこの現状を受け止めようと、目の前の人に声をかける。





「あ―…こんなところで、どうしたんですか?レッドさん」




「いやあ聞いてくれよ、イエロー」







がしがし、と頭をかきながら照れたように笑うレッドさん。




「さっきトキワジムに行ったら、すでにブルーがいてさ。



 『あ、ちょうどよかったわレッド!お使いに行ってきてくれない?』って」




「そうなんですか……」



レッドさんにお使いを頼むなんて。


ブルーさん以外にできないと思う。




「そりゃあ俺も、すぐに『はいそうですか』なんて言いたくないからな、
 

 『どうしてだよ』って聞いたんだ。


そしたらブルー、『何となくよ、ホホホ』とか言って――」




それってグリーンさんと2人っきりになりたかったんじゃあ……。




思ったけれど、ブルーさんがあえて濁したのにボクがバラしてしまうのは、

そう、きっと野暮なことだ。




「そうなんですか。ボクもそのお使い、手伝いますよ」



「ホントか!?それで、これなんだけど――」



ぐい、とレッドさんが近づく。





近づけた喜びに、嬉しさに、




何となくのきまぐれも、たまにはいいなあと思った。














 (え?『スーパーボール』、『ピッピ人形』、
  『げんきのかけら』、『ルアーボール』ですか……?)


 (な、これで何するのか、気になるだろ?)

















ありきたりだなんて、そんなまさか。
レッドさんはキャラが不安定すぎるよ。

イエローがイエローっぽくなくて泣ける。
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