pkmn

□キラキラ
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ボクは最近、楽しくない。


おもしろくない。


有り体に言うと、つまらない。

そんな風に思うようになってしまった。




どうしてだろう?



キラキラ



レッドさんは、とてもかっこいい。


それは周知の事実でなおかつ、本人は無自覚で。


たからレッドさんは、色々な人に好意をよせられている。


なんたってボクも、その一人だ。


……そうなるのは、予測できたはずだった。



リーグチャンピオンでジムリーダーの資格を持っていたことがあり、

多分きっと、レッドさんはこの世界で一番強い。


強くて優しい――― と思う。


必要とあらばバトルをできることも、
ボクはその的確な判断にただただ感服するばかり。


だから、好かれるのは分かる。


でもボクは、それを見て嫌な気持ちになるんだ。


レッドさんに近づかないで……って。



無理なことだとわかっているのに何故か、そんなことを思ってしまう。







「――、嫉妬ね」


「え……?」



ブルーさんは楽しげだ。


最も、この人は楽しくなくとも劇的に無理矢理、楽しそうにさせられると思う。



「イエローも嫉妬するのねー」


「しっ……!!嫉妬ですか!?」




これが“嫉妬”。


初めての感情の名称が分かっても、やっぱりどこか落ち着きない。



「ボクは……おかしいんでしょうか?」


「うん、おかしいと思うわ」




造作もないようにあっさり言うブルーさん。



「普通はもっと、嫉妬すると思う。やっぱりイエローはひかえめね」


そこがイエローの良いところだけど、と付け足すブルーさん。


えっと、ボクは褒められたのかな?


「あの天然は、言わなきゃ気付かないわよ?」


「っ……でも」




「そうね、イエローが言えるはずない、か」


ひかえめなのも考えものよね、困ったように笑った。


すみませんブルーさん。




「でも言わなくても、このままでも、イエローはいいの?」


「……ちょっと、嫌です」




なんか照れる。


うつむきながら言うと、ブルーさんは妖しく笑った。





「分かったわ。ブルー姉さんがなんとかしてみせましょう」








キラキラ

(貴方のまわりはいつも輝いてる)


(その輝きのそばにいたくて)



(ボクを見て?)








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