pkmn

□空に一番近い場所。
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ああ、どうしよう。


ドキドキする、どこかでちょっと以上に期待をしている自分がいて、恥ずかしい。


ああもう、突然何なのよ!







空に一番近い場所。






火照るほおを両手で軽く包み込み、気休めだけど深呼吸をする。


ぱちん!


一度、気を引き締めるためにほおを叩く。




「よしっ!」



多分きっと、ううん絶対大丈夫……な、はず。



恐る恐る指定された待ち合わせの場所に向かう。



(あれ?も、もういるの!?)


見た目通り時間にルーズなゴールドが先に来ているとは。


今までも呼び出されて『話がある』と言われたことはあった。


でも、今回はいつもと違う。先にいるなんて!


極寒の地にやって来た苦労も報われる。


こんな寒いところで待つことなんて私には無理だ。


彼自身も緊張しているのかな?


もしかするともしかして……もしかしたら。



自分の願望に思い当たってどきん、と心臓が跳ねた。



こ、告白とかじゃないよねっ!?




待って待って、いや別に嫌いじゃないよ?

むしろ好きっていうか……。


はっ、ととたんに我に返った。



私に何を言わせる気よ!?好き!?


穴があったら入りたい衝動に駆られる。




(“あなをほる”を覚えてるポケモンをつれてこればよかったかも)



穴っていうかもう、存在自体消えたいくらい恥ずかしい。


何を考えてるんだ、私!



ただ呼び出されたくらいで変なこと考えて、バカじゃないの!



呼び出しは前にも何回かあったけど、いつもいつも




『あ、わりぃわりぃ。今日、先輩のポケギア壊しちまってよう。


 クリスも一緒に謝りに来てくんねーか?』



とか、当たり障りのない話。



今回だってそんなものよ!



期待を持つな、私!……って、期待なんて持ってないし!

え、期待って何の期待!?



そんなことを考えて地団駄していると。
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