pkmn

□空に一番近い場所。
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「嫌いって……ゴールドこそ。

 私のことを真面目がとりえなだけって、嫌ってない?」



むしろ利用してない?


先輩の怒りから逃れるため、とか。




「はぁ?俺がいつそんなこと言ったよ?
















 俺はお前が大好きだぜ?」

















え?


ちょっと何、今の。



ナチュラルに、いやごくごく自然な感じに、告白された?



え、でもこんなタイミングで?



けんか腰で普通、告白なんてするの?









「ぷっ………あははははっ、あははははっ!」




おかしくてつい、吹き出してしまう。


「なっ……!?何笑ってんだよ!?」





彼の顔が真っ赤なのは、夕日のせいだけとは思えない。




そりゃそうか、告白されて笑い出す女なんて、普通いないよね。




「ごっ……ご、めん……」




おなかいたい、笑いを収まらせようとするのに必死で言葉が続かない。



「突然笑うか?普通はよ」



「笑わないよね、ごめん。でも、うれしくって」



嬉しくって。



そんな雑なぶっきらぼうな、けんか腰での告白でも。




彼らしいな、って思えて。




そんなこと以前に告白されたのが嘘みたいで、でも嬉しくって幸せで。



ああ私、やっぱりゴールドのことが大好きだな、って思えて。








「私もゴールドのこと、大好きだよ?」



「…………ッ!」




せっかくもどった顔色が朱に染まっている。



マジか、と口だけが動いているのがなんだか滑稽だ。



「やっぱ今日来てよかった……」



「え?何で?」



「なっ、何でもねーよ!」









空に一番近い場所。

(9月20日、“空の日”)

(それは空が想いを伝える)

(素直な日)




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