pkmn
□おつきみ
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「…………眠れない」
ベッドに寝転んだ体勢で呟いたレッドは、足を大きく振り上げその反動で起き上がった。
んんー、と腕を伸ばし唸る。
ギシギシという音を立てながら立ち上がり、
何気なく部屋を見渡すと机の上のボールに目が止まった。
「ごめんな……起こしちゃったか?」
みんな目をこすったり、あくびをしたりしている。
ふるふる、と一斉に首を振るのがなんだか面白かった。
よし、それなら。
「外にでも出てみるか」
おつきみ
ボールを全部持って家を出たはいいものの、どこへ行こう?
イエローが真っ先に思い浮かんだ。
……!
我ながら恥ずかしい。
「こんな時間だしな……もう寝てるよな、うん」
そうでなくても色々な所で寝てるしな。
それは能力とも関係してるんだろうけど、まあ置いといて。
ブルー……も、却下だな。
折角両親と再会できたんだし、邪魔したわね、って怒りそう。
うーん、どうしようか。
何となく人恋しい気分だから、誰かに会いたいんだけどな。
「やっぱ、時間も時間だし」
思いつくのはやっぱり好敵手。
「プテ!頼む」
プテは嫌な顔ひとつせず、笑顔で大きくうなずいてくれた。
***
「よっ!」
「…………」
ジムに行ったら明かりがついていたので、まだいるのか?と思ったけれど行ったらいた。
唐突な訪問なのに驚かないグリーン。
さすがと言うか、なんというか。
それでも「またお前か」と目で語り、ため息をついてきたけれども。
「何の用だ?」
「いや、特には。それよりグリーン、仕事は終わりそうか?」