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□知ってる世界が大改変
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「……あれ?」
目が覚めたら、ポケモンになっていた。
知ってる世界が大改変
え、ちょ、マジで?
夢であることを祈りつつ自身を見下ろすと、どこかで見たことのあるカラーバリエーション。
「バクたろう……?」
誰か嘘だと言ってくれ。
いつの間にかバクフーンになってるだなんて、なんなんだよそれは。
『よくあるこった、気にすんな』とかいう定型句が使えない!
全然『よくあること』じゃねーよ!
「……はあ」
もう何か色々疲れた。
つーかここは何処だ。
改めて見回すと、ここはどうやら森のようだった。
「俺、バクフーンの技とか使えんのかな……」
ブラストバーンとか、ちょっとやってみたい気がする。
試してみたい!
たいあたりとかならしたくないが。別に人間にもできるし。
「とりあえず腹減った……」
ぎゅるるるるー、と恐ろしい音をあげる腹を撫でながらきのみを探す。
「お、ナイスなタイミング」
ナイスなタイミングって、言葉としてどうなんだろうか。間違ってないか?
分からないけど気にしながら、きのみが実る樹に近づいた。
◇◆◇◆◇
「ふわっ、バクフーン!?」
びくびくっ、とバクフーンを恐れるかのようにビクついて、そのまま後ずさるポケモン。
「うっはー、メガニウムか?」
「わわっ、ごめんなさいごめんなさい! 燃やさないで!」
いや、言われなくとも初対面の奴を燃やしたりなんてしないし……。
軽くショックを受けながらもそんなようなことを返す。
でもトレーナーは野生のポケモンと遭遇したらバトルするのが当然。
野生ポケモンはそういうのが常なのかもしれない。
「えっ……その声、もしかしてゴールドさん?」
「何で俺の名前知ってんの?」
まだ怯えた目をしたメガニウムに尋ねる。
「あの、私……クリスの手持ちのメガぴょん、です」
「マジで?!」
何でこんなところに。
っていうかよく俺だってわかったな。
もう色々と設定に付いていけない。
「えっと私、今クリスとはぐれてて……ゴールドさんも一緒に、探してくださいません?」
意外と図々しいぞ、この子!
そんなことは口には出さず、了解、と肯定を口にした。