pkmn

□知ってる世界が大改変
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「にしても、どうしてこうなっちまったんだ?」

「さあ……私には分からないです」

独り言に返してくれるメガぴょん。

イイコなんだけど、いかんせんこのシチュエーションのせいで普通に会話できない。

だって今、俺はバクフーンなんだぜ?

最初は怯えられたし!


「クリスさん、心配してますよ、きっと」

「はあ?……まあ、してるだろうな。パートナーが行方不明だし」

俺の心模様を知ってか知らずか(知らないと思うけど)、メガぴょんが聞いてきて
ドキリ、として損した。

パートナーいなくなったら、俺だってビビるぜ?


「……いや、私じゃなくて。ゴールドさん、今日はクリスとピクニックに行くんじゃないんですか?」

「うわっ、やべー!」

そうだった、バクフーンになったとかのせいで、衝動的に記憶から跳んでいた。

ピクニック……幼稚だな、って言ったら『覚悟してなさい』と言われた。

遅刻したら、殺される……。


「て、あれ?何で“心配”?」

「クリス、ピクニックだからって張り切ってお弁当作ったんです。
 被害妄想激しいから、“弁当作ったからだ”と勘違いしてますよ、今頃」

あはは、と軽く笑って言うメガぴょん。

心配するポイントがズレてる!何からつっこんでいいのか分からない!


「とにかく、ピクニックの待ち合わせ場所にでも向かいますか?」

「ったりめーだ!!」

走り出してしまうバクフーンもといゴールドに、『人間の姿じゃないけどいいのかな?』と
メガぴょんは首をかしげる。


「ちくしょー、どうしたらいいもんなんだよ、ったく〜……」

文句垂れ流しで駆けるゴールドにも、バクフーンからいつもの姿に戻る方法は分からない。

ちくしょう、と言いながら走る彼の姿は、バクフーンであることも手伝って
滅茶苦茶怖そうな雰囲気をまとっていた。

雑魚が、と言いながらたいあたりでポッポを倒す。

野生のポケモンが彼の前に姿を見せなくなったのは当然と言うべきか。


「これが“愛の力”か……」

メガぴょんは一人で納得し、ゴールドの後を慌て追った。

つっこみがいないとこういうことになるのか、と思わずにはいられないが、
ゴールドもメガぴょんも属性がボケなので仕方ない。
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