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□知ってる世界が大改変
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「っあー、クリス!!」
ドドド、という不穏な音と雄叫び(?)を聞いて、クリスは音のする方向を向いた。
「ば、バクフーン!?と、なんでメガぴょん!?」
困惑したものの、このままだとどうなるか、クリスは無意識のうちに思う。
――あんな力任せに走ってたら、急には止まれないわよね……。
――私の方に向かって、真っ直ぐ進んで来ているのは気のせいかしら……?
明らかに自分にぶつかる。
そんなことになったら、せっかく作った手の込んだ弁当が台無しだ。
「……よし」
弁当の入ったバスケットを地面に置き、強い意思のこもった目でバクフーンを見つめるクリス。
「捕獲します!!」
◇◆◇◆◇
「……おい、メガぴょん」
「どうかしましたか?」
走りながらも目の前の少女の急変にスピードを下げ、後方に尋ねるゴールド。
「おめえのご主人、俺を捕獲するつもりじゃ、ない……よな?」
「…………ははは」
弱々しい笑みで、あえて何も言わずに返すメガぴょん。
「はあっ!?俺、仮にも!仮にも人間だぜっ!?」
「今はポケモンじゃあないですか」
でも捕獲って無いよな!?
訴えてもメガぴょんは神妙な顔をしたままだった。
「次の人生ではゴールドさんも、
野生のポケモンを捕まえるときは気を付けるようにしたらどうでしょう」
「死ぬ前提!?」
なんてこった、もうダメか。
「このまま一生ポケモンだったら、クリスは悲しみますね……
でもバクフーンに“ゴールド”とかって名付けて、傷を癒すでしょう……」
「んな物騒なこと言うなよ!」
とか言いつつも、『バクフーンの寿命って何年くらいだろう』とか考えてる俺がいる。
え、冗談キッツイー。
たのむから冗談にしてくれ。
「うわああああああっ!」
目の前のクリスがボールを蹴り出す。
ボールが当たって、俺は――――――。