pkmn
□ハッとして行動して
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Attention!
この話は地下鉄に傘を置き忘れてしまった私が、無理にでも笑い話にして
自分の失敗を笑い飛ばし忘れてしまおう、という謎の思いから生まれました。
深く触れないでいただけると幸いです。
※レイエで現代風パロ
「ん……」
「……てください、起きてください……」
昔からの悪い癖。
乗り物に乗ると、それが一体どんな乗り物であろうとも、どれだけ少しの間しか乗らなくとも。
僕は必ず、眠ってしまうのだ。
「んう?」
「あ、おはようございます」
「………?」
自分の状況下を、回りきらない鈍い頭で思い出そうとして。
―――そうだ、おじさんに足りなくなった釣具を買いにいってくれと頼まれて。
電車に乗って、また眠ってしまったらしい。
「すっ……!!すみません、でした!!」
ダッ、と小振りの持っていたバックを片手に、僕は叫んで電車を下りた。
恥ずかしい、恥ずかしいよ!
だってもう、僕だっていい大人で。
こんな所で数十分も乗ってないのに、熟睡してしまって。
癖とはいえ、恥ずかしすぎる。
それに電車で寝てしまい、あの困ったような赤色の目の駅員さんに起こされるのは。
初めてじゃ、ないのだ。
嫌だな、絶対に顔を覚えられてる……!
恥ずかしさに、穴があったら入りたい心境に陥る。
ああもう、僕ってどうしてこうなんだろ!
地上へ続く階段を、ブーツで盛大に踏みつけた。
***
「あれ?えーと……」
いつも寝てしまう女の子を起こすと、いつものごとくダッシュでこの場を去ってしまった。
「んー、やっぱ俺って不審者っぽく見えるのかな……」
軽く落ち込みながらも、今日は来るか、来るか毎日と楽しみになっしていた
彼女を起こすイベントが終わってしまって残念に思う。
ぶっちゃけ一目惚れだ。
だが電車で毎回寝てしまう彼女を起こす、以外に接点は皆無だ。
「恋人とかいるのかなー」
はあ、とため息をついて頭をかく。
よし、切り替えて今日の業務に集中せねば!
「……あ」
彼女の置いていった傘に気づいたのは、その、顔を上げた瞬間だった。