pkmn

□はらり、ひらり、桜。
1ページ/3ページ



今日はオイラの誕生日、目覚めて着替えて階段を下りると、インターホンがなって。

何事だろうかとお母さんの後ろから来訪者をうかがうと、宅配業者の人だった。


「ダイヤ、あなたにプレゼントが届いたみたいよ」

「え〜、本当?」

宛先はオイラで、送り主はお嬢様。

さすがはお嬢様、何だかスゴいやと感心してしまう。


「開けなくていいの?」

「う〜ん、何だかもったいない気がして」

あらあら、と笑ってお母さんは朝ご飯の支度に戻ってしまった。

朝ご飯の後に開けようかな〜、いやでも、お嬢様にお礼を言いたいし。

開けた後にお礼を言うものだよね、普通は。

もったいなくても仕方ない、リボンをほどいて
オイラのリュックくらいの大きさのプレゼントを開けにかかる。

割れ物注意って書いてあるし、ガラスのコップとかなのかな?

わくわくしながら箱を開けると、そこには。


「うわ〜、キレイだなあ」

平凡な言葉しか出てこないけれど、本当にキレイ!

銀に輝くスノードームならぬ桜ドーム(?)が、箱にはちょこんと入っていた。

かなり精密なもので、感嘆するしかない。

スノードームといえば雪降る様子が楽しめるけど、
オイラの誕生日が春だからか桜な仕様になっているのがとっても可愛い。

ドームの中には、オイラとお嬢様とパールが笑いあって立っている。

こっちも特注かな、オイラの手持ちのポケモンもパールの手持ちのポケモンも、
お嬢様の手持ちのポケモンもいたる所に配置されている。

嬉しい、旅の想い出が凝縮されているみたいだ。

お嬢様、元気かな。

配達でプレゼントをくれた、ってことは忙しいのかも
……なんてったってお嬢様、今はお父さんとお母さんの手伝いをしてるらしいし。

でもお礼の電話くらいなら、大丈夫だよね?


「よし、ポケッチからかければ〜、確実だよ、ね」

「ダイヤー、あなたの好きな、きのみグリルができたわよー」

階下からお母さんの大きな声が聞こえた。
えっ、朝から作ってくれたの?

……お礼を言うのは後でもいいよね?

誕生日だからって朝から大好物を食べられるなんて、幸せだなあ!

もらったプレゼントを箱に戻して、割れないように確認する……
朝ご飯食べてる間に壊れたら、オイラは泣く自信がある。

今行く、と声を張り上げた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ