pkmn

□ばか、そんなんじゃねーよ
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汗が滴り落ちる、までとはいかないけれども、暑い。

何で俺、こんな所で立ってなきゃならないんだろうか。

抜けるような青空の下、グラウンドの中心で現実逃避にいそしむ。


「あっちー……」

そもそもの原因は確か、体育委員なんかになったからだ。



 ***



「お前は委員会、何に入るつもりなんだ?」

「んあ?何だよ急に」

机に突っ伏して睡眠を貪っているとされた質問を、目をこすりながら聞き直す。

畜生、まだ8分寝られるじゃねえか、起こすなよバーカ。


「事前調査だ」

「あー、シルバーって副委員長になったんだっけか。あの真面目で堅物な委員長の補佐とは、大変だな」

「ゴールド、言っていいことと悪いことが世の中にはあるんだぞ」

「うっせー」

にしても、委員会の事前調査なんて前代未聞じゃね?

俺が決めてるはずもないし。


「しっかし、めんどくせえよなあ、全員強制的に委員会に入らされるなんて」

「そうか?俺の通っていた小学校も全員強制的だった」

「マジか。つっても、同中だし中学時代は違ったじゃねーか」

「…………考えてみれば長い腐れ縁だよな」

感慨深そうにシルバーがつぶやいた。

腐れ縁って長いで合ってるのか?

自分で言いながら気になるようで、シルバーは腕を組み直す。


「あとで調べるか……で、ゴールド。何の委員会に入るんだ?」

「んー……何でもいーや。他のやつらは何に入るって?」

「今の所、一番人気は体育委員で一番人気がないのは図書委員だ」

「体育委員?何で?」

図書委員に人気がないのは毎年のことなので分かりきっていたけれど、体育委員は意外だ。

シルバーは何てことないかのように、事前調査の結果が書いてあるだろう小さめのメモ帳を見たまま口を開く。


「今年はレッド先輩やルビーが、体育委員になったらしい」

「レッド先輩が!?あの人今年は生徒会に入らないのか?」

「いや、やるだろうな。グリーン先輩の当選も確実だろうし」

「レッド先輩、頼りになるいー先輩だもんな……」

部活のキャプテンであり、生徒会に副会長として君臨しているグリーン先輩と
同じくらい“憧れられてる”先輩だ。

それはともかく。

しれっとシルバーが言ったもんだからスルーした話題になおる。


「え、何、ルビーも体育委員なわけ?」
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