pkmn
□ばか、そんなんじゃねーよ
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「ああ。何でも、サファイアと別のクラスになったから委員会はせめて一緒に、ということらしい」
「…………リア充爆破しろ」
「後輩に対して容赦無いな」
「お前は同輩に対して容赦無さすぎだよな!」
あー、眠気覚めちまった。
ルビーはルビーで(主に過去が)ミステリアス(らしい。俺にはさっぱりわからない)だから
男女共に人気がある、っつー理屈か。
んー、ルビーを可愛がる(いじる)のは楽しそうだよな……先輩もいるし。
「シルバー、俺やっぱ体育委員」
「そう言うと思った。倍率高いが、気にしないか?」
「あったりめーよ!」
親指をつきだすと、今回だけはうざがられずに流された。
……委員会決めで、見事に自分がシルバーの誘導尋問に引っ掛かったと理解した。
「今年はゴールドが体育委員かー」
「体力測定とか、体育委員は大変だもんな、俺には真似できねえよ」
「マジで勇気あるわー」
語尾に(笑)と付いていそうなクラスメイトの言葉。
シルバーを睨み付けたけど、冷たい視線を返された。
こうして、俺は体育委員になったのだった。
***
それで学校のグラウンドにいるわけだが。
運悪く、俺はハンドボール投げの担当にさせられた。
しかも遠くまで飛んだボールを拾う役目。
野球の外野をやってる気分になってきた。
つまりはまあ、全くといっていいほどボールが飛んで来ないのだ!
暇だ!暑い!せめて日影に入らせてくれ!
視界が歪んで、すべての物がダブって見えてきた。
あ、ヤベ、熱中症かも。
頭に久々に飛んで来たボールがクリーヒットしたのを境に、俺は意識を手放してしまった。
***
「……ぶ?………じょー……大丈夫?」
目を開けたら、目の前に何故か委員長がいた。
「うわっ!?」
「なに!?」
身を引いたら、俺を覗き込んでいた堅物な委員長も身を引いた。
何だかちょっと面白かった。
「…………大丈夫?」
「あー、おう。つーか何でお前がここにいるわけ?」
「私が投げたボールが……頭に当たった、みたいだから」
「…………」
非常に情けない状況下だった。
間違って軟弱者だと認識されていても仕方ないかもしれなかった。
「何てね、冗談よ。熱中症ですって」
「冗談に聞こえねえ!!??」
普段が真面目すぎるだからか、委員長―――クリスが冗談を言うとは思えなくて、
驚いてしまった。