pkmn

□お、お前、近すぎ!
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カラッと晴れた、翌日。

シルバーもこの天気なら、絶好の墓参り日和と称賛していることだろう(絶対しなさそうだけど)。


「ゴールド!あなたが代わりに委員長会に出てくれるのよね?」

クリスはやって来たかと思うと開口一番、そんなことを言った。


「おう。何だ、もう聞いてたのか?」

「いえ、聞いてないわよ。けど、シルバーが頼るのは大抵ゴールドじゃない」

「はあ?そうか?」

「あら、思い当たる節がないわけじゃないでしょ」

そうか?バカにされることは多々あっても、頼られることは全然無い気が……。

あいつ、全部自分で何とかしようとしちまうし。


「……シルバーと一番、仲がいいじゃない」

「まあ、腐れ縁が無駄に続いてるしな」

「続いてるのは私も同じなんだけど?」

「…………それはさておき」

話を反らしたい。無理矢理、方向転換を図るとクリスは何故か怒ったように頬を少し膨らませた。

んだよ、可愛いギャルと話すのは楽しい……いや、語弊があるか。

楽、っつーか簡単だけど、真面目で堅物な委員長が相手だとどうも調子が狂う。

バカはバカらしく、笑えるだけの会話をするのもいいんだけど。

クリスと会話するのは、頭使うっていうか。

まあこれもこれで楽しいんだけどよ。


「委員長会って何時からなんだ?
 場合によっちゃあ、部活休むって報告しに行かなきゃなんねーだろ」

「残念だけど、部活は無理ね」

「そんな長引くわけ?」

「授業後できるだけすぐ集まって、それから下校時刻まで目一杯あると考えてもらえると嬉しいわ」

「……よくそれだけの話題があるよな」


仕方ねえ、先輩に連絡しに行かねえと。

そういえばシルバーは美術部に入ってるけど、休みだと伝えられているだろうか?


「私も連絡しとかないと……サッカー部の部長って、レッド先輩よね?」

「俺の部活覚えてたのか!?」

「何年同じクラスだと思ってるのよ」

「そーいや、クリスは吹奏楽部だっけか」

「そうよ、ゴールドだって覚えてるんじゃないの」

「吹奏楽部はミカン先輩か?」

「ええ。確か同じクラスよね」

昼休みに一緒に連絡しにいかない?と言われ、断る理由も無いから承諾した。

けど、今から改めて考えてみると、中学生ならまだしも、高校生がそういうことするっておかしいかもな。

恥ずかしい気がしてきて、クリスから視線を外した。

相手は堅物委員長なのにな!

意識し出すとこんなになるなんて、情けない。
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