pkmn
□ラムネ
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5月4日、確か午前の10時ころ、ゴールドからポケギアでコールがきた。
「もしもし?おはよう」
『ハッ、俺はもう起きて、ランニングしてきた所だぜ?全然早くねーよ。
なあクリス、今日って暇か?』
「ええ……カレンダー通りに休日だけど」
『っしゃあ!じゃあさ、トキワのポケセン前に集合な!じゃ!』
「え、何をする気なの!?」
ツーツー、と無情に響く通話終了音。
うわあ、拒否権が無いわ……。
「トキワってことは、カントーよね。もしかして、先輩方に迷惑かける気じゃないでしょうね、ゴールド……」
はあ、想像もつかないけど、私が行かなきゃストッパー不在になるのよね。
「あー、私の久々の連休が……ネイぴょん、おねがい!」
あんな一方的なこと、断ってもいいだろうけど、
ゴールドに言われたら、断りきれないのよね。
絶対言ってやんないけど!
ネイぴょんに変な顔してると思われたかも知れなくて、ちょっと照れくさかった。
***
「クリス、おはよう。ごめんなあ、休みの日だってのにわざわざ」
「いえ、先輩、気にしないでください。それより、今日は何かするんですか?」
急いでいくと、まだゴールドはいなくて、何でかレッド先輩がいた。
レッド先輩がいるなんて、聞いてないわよ!?
来たら問い詰めよう、と心に決めて先輩に向き直ると、先輩は冷や汗をかいていた。
…………なぜ?
「いや、その、クリス、聞いてないのにここまで来たのか?俺はてっきり……」
「ゴールドに呼び出されて、待ち合わせをトキワのポケセンに指定されたんです。
まだ来てないみたいですけど。それで先輩、……何をするおつもりなんでしょうか」
「えーと、今日!そうだ、今日は何の日か知ってるか?」
「今日ですか?みどりの日ですよね」
それがどうかしたのだろうか?
ん、待てよ、みどりの日……?
「グリーン先輩に何かするつもりなんですね?」
「さすがクリス!察しがいいなあ」
「いや先輩、ふざけないでください」
「すみません」
先輩に謝らせてしまった。
後輩として、してもよかったなだろうか、先輩もどうなのだろうとは思うけれど。
そんな異様なタイミングで、満面の笑みを浮かべ、ゴールドがやって来た。
「いやー、遅れてさーせん。道が混んでたんですよー」