激撮!少年少女の長い旅。

□交差、イレカワリ。
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カラナクシがいた。

いや、水タイプ確かにいなかったし嬉しいんだけど……。


「いじめかよ、おい。カラナクシって背中に乗れないじゃん」

「そこはパープルお得意のレベル上げで何とかしとけって!」

「お得意じゃないからな!?」

噛みついたら、何だよつれないな〜、と笑われる。

くそう他人事だと思いやがって!


『カラナクシ、ウミウシポケモン。
 生息地により違った形や色をしている。シンオウ地方では2種類が確認されている。
 水辺に生息する。生息地の環境に合わせて形が変化した』

図鑑を開いて説明を見てみれば、なんとびっくり。

カラナクシは0.3mらしい。

こんな小さなのにどう乗れと。

考えてみればミオシティに送ってくれるなりお金貸してくれるなりすればいいだろ。

何故にカラナクシ!


「大変だったんだぜ〜、水色のカラナクシ捕まえるの!わざわざ213番道路まで行ってよ!
 でもパープルはピンクのカラナクシは嫌かな、と思ったからさ」

まずカラナクシ以外の選択肢は無いのか。

そこで初めて、兄さんは純粋な笑みをこぼした。


「カラナクシだとさすがに辛いだろうと思ったからな、
 レベルはあと1つ上げればトリトドンになるようにしたぞ!」

意外と優しいじゃん、まあトリトドンの状態でプレゼントしてくれたらもっと優しいと思えたが。


「ってLv.29!?」

強すぎだった。

モウカザルがLv.20でズガイドスがLv.18の今、断トツで強かった。


「は?何を言ってるんだよパープル!
 ミオシティのジムリーダー・トウガンは最高Lv.39のポケモン使うぞ、確か」

「…………」

言葉がでなかった。

つーか何でオリーブはそんなことを知っているんだよ。


「質問に戻るけど……兄さん、今までどこで何してたんだよ?」

「シンオウ地方のジム巡って、四天王に挑戦したら負けて、
 仕方ないからファイトエリアとサバイバルエリアを転々としてた」

「マジか!?」

渋った意味がわからないのだが、あっけらかんと言った。

ファイトエリアとサバイバルエリアって、野生でもLv.50くらいのポケモンが出るって聞いたぞ……?

戦慄する。

そりゃカラナクシがLv.29でも平然としていられるわけだ。

四天王に挑戦したりしようとするわけだ。


「んじゃ、俺の用事はこれだけだから。ジム戦ガンバ〜」

応援する気があるのかないのか。

へらへら笑って、兄さんは行ってしまった。
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