激撮!少年少女の長い旅。

□交差、イレカワリ。
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カラナクシは1回野生のポケモンと戦ったら進化した。

もしかしたら図鑑完成を手伝ってくれたのかもしれない
……真意は相変わらず不明だけれど。

何はともあれ、トリトドンのお陰で海を越えられそうだ
……トリトドンは高さ0.9とやっぱり小さいけど。

でもまあ、試しに乗ってみたら大丈夫そうだったし!

大丈夫だと信じてる。

モウカザルとズガイドスもトリトドンとレベルを合わせようとしたら日がくれてしまった
……ゆえに、海辺で今日は野宿である。

「ありがとなー、モウカザル」

『キィ!』

その辺で集めてきた枝に火をつけてもらい、暖をとる。

まだ夏にはほどとおく寒い……。

ピクッ、とその時。モウカザルが動いた。

恥ずかしがりだからか、それとも元からそういう性質なのか、人の気配に敏感なモウカザル。

俺も慌てて、だらけていた風なのを誤魔化した。

……忘れていたが、ここはミオシティに続く陸海道。

通行人が少なくとも、いるのである。

まあこんな夜更けにこんな所を通るなんて、不用心にも程があるだろうけど。


「たき火……ですか?」

「あ、はい……」

メガネをかけた落ち着いているスポーティーな格好の女の子。

ゆっくりと近づいてきたと思ったら、そう声を掛けられて驚いた。

見たところ俺より年下で、旅をしているような風に見受けられる。

……いいよなあ、俺はこの年になるまで旅に出られなかったってのに。

ひがみつつも、可愛いのに不用心な彼女に俺も声を掛ける。


「こんな時間にミオシティに向かうんですか?」

「いえ、ミオを出たところなんです」

肩をすくめて見せる少女に少し、ドキッとした。

考えてみればトレーナーズシクールにいた時もあまり女の子と話したことはなかったし……。


「トウガンさんに挑戦しようと思ってたんですけど、負けちゃって」

「トレーナーなんですか?」

「はい。あなたも、ですか?」

自然とボールに手が伸びた。

トレーナーは目と目が合ったらバトル!なんていうけど、
近頃はトレーナーの格好をしたブリーダーや、ブリーダーだけどトレーナーでもある人、色んな人がいる。

話して、確かめてバトルするのが今では当たり前だ。


「じゃああの、こんな時間ですけど……いいですか?」

「いえいえ、こちらこそ!いいですか?」

「はい。……じゃあ、」

右手でボールを、左手で図鑑を持って構える。

「「バトル!」」
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