激撮!少年少女の長い旅。
□帰郷を待ちわびて
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オレンジと出会った日の、僕が氷漬けから解放された日のこと。
ポケモンセンター内の宿泊施設を利用することにして、
1年ぶりにベッドにダイブしてみた。
ばふん、と心地いい振動がスプリングを軋ませる。
しかしまあ、何をしようかと考えてもすることがない。
風呂も入って、夕食も終わらせてしまえば暇になってしまった。
「…………バレなきゃ、いっか」
独り言を確かめるように呟いて、モンスターボールに手を伸ばす。
全員を出すと、気持ち良さそうに体を伸ばした。
「大丈夫?…………痛い所とか、無い?」
ラスを初めとした手持ちの外観を見ながら聞くと、
みんな元気にうなずいてくれた。
そっか、それならよかったんだけど。
けれど1番心配なタマゴは、確かめようがない、とジョーイさんに言われてしまった。
今のところは正常だけれど、
もしかしたら異常があって命を落とすかもしれないとのこと。
「器具に入れておくの、止めようかな」
なるべく丁寧に扱うように心がけながらベッドの上に置く。
どんなポケモンが生まれてくるのだろう?
模様から推測すると、トゲピーだろうか?
いや、もしかするとフシギダネ?
色々と思案していると、不意に控えめなノック音が響く。
「はい」
慌ててモンスターボールにポケモンを戻して出ると、
そこにはカンナギタウンが長老様がいらっしゃった。