激撮!少年少女の長い旅。
□親子関係……憧れ。
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Side/B
ちょっと204番道路に寄って、スボミーとズバットを捕まえた所で捕まえた数が29匹になった。
かなり順調かもしれない……!
ホクホクしながら203番道路を経由してクロガネシティに到着。
203番道路ではケーシイしか捕まえられなかった。
当然のようにクロガネゲートに直行して、イシツブテ、ナマズン、ドジョッチをゲット。
これで33匹!
スボミーのスボミを手持ちに加え、レベルをそこそこ上げてからジムの前に立つ。
おっと、抱き締めたスボミが身動ぎした。
「スボミ、可愛いなあ……!」
出会った瞬間、♀のこの子に一目惚れしてしまってからこればかり言ってしまう。
でも、とっても可愛いんだもん!
抱き締めていると、ボールから勝手にポッチャマのポッチが飛び出した。
「ポッチ?どうしたの?」
『ポチャア!ポチャポチャ!』
構ってほしいのか、スボミに焼きもちをやいているのか、私の足をぺしぺし叩く。
この子はこの子で可愛いなあ……親バカ丸出しだけど思いながら、そういえば、と思い出す。
「番組スタッフさんたちに連絡、しなくていいかな?
しなきゃ、私が今からクロガネジムに挑戦することが分からないよなあ」
ポケッチに番号とか登録されてないのだろうか。
ならばどうしようか、と半ば途方に暮れているとガヤガヤと騒がしい声が聞こえだす。
「あ!」
「オーカーちゃん!久しぶりだね」
にこやかに手を振るアソンさん。
そういえば、町に入るときにポケッチが自動で位置を伝えるんだっけ。
やっぱりプライバシーが危ういと思いつつ、不思議そうに首をかしげるアソンさんに気付いたから声をかける。
「? どうかしました?」
「いや、今回はジムリーダーのタイプ、聞かないんだなあと思って」
「わ!私だってあのあと反省しましたから!ミオ図書館で調べてきました。
メモを取ってきたので、大丈夫です!」
胸をはると、成長したねと呟かれた。
子供っぽかったかも……ともかく、きちんと知ってるアピールをするためにメモを取り出す。
「クロガネジムジムリーダー、ヒョウタさんは『ザ・ロック』の異名を持つ岩タイプポケモンの使い手。
ミオジムジムリーダーのトウガンさんは実の父親で、クロガネ炭鉱でも働いているんだとか」
「そうそう、だからジムに不在の時はジムトレーナーが呼びに走っていくらしいよ」
「そうなんですか」
どんなジムですか、ここ。
親子そろってジムリーダーなんて、調べたときも思ったけどすごい。
ヒョウタさんはトウガンさんを尊敬しているらしい、そりゃそうだ。
しかし私が気になるのは……。
「トウガンさんが『鋼鉄ボディの男』で、ヒョウタさんは『ザ・ロック』なんだ……」
異名を持つのはシンオウのジムリーダーだけらしい(本当かどうかは知らない)けど、
ヒョウタさんの異名は無理があるんじゃないかなあ。
そのまんますぎて、もはや誰も呼んでなさそう。
本人に絶対言えない失礼なことを、思った。