TOY

□恋の予感
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「2ばんのひと」様よりキリ番リクエストのポケスペのダイヤの話です。
管理人の趣味によりダイ嬢になりましたすみません。
返品の場合は何度だって書き直させていただきますので「2ばんのひと」様のみ拍手等からお知らせいただけるとありがたいです。



(ダイプラ(ダイ嬢))
※長い






夏めく木の葉から漏れる陽射しが窓に落ちている。
随分暑くなってきたものだ。
クッキーを焼こうと思ったまではよかったものの、こうも暑いと嫌になってきてしまう。
こんなことなら冷房をきかせておくんだったなあ、とオーブンにため息をつくとまた汗がぽたりとシャツに染みた。

もうそろそろ焼ける頃合いで、そうなると一旦は沈んでしまったけれど気分だって明るくなる。
すぐそばでそわそわするべーは、今か今かとクッキーが焼けるのを待っている。
ナエトルのままるーも進化しなかったら、べーのようにクッキーが焼けるのをそわそわ待っていただろうか。
まだ日光浴中だろう彼のことを思ったけれど、進化して大きくなり、キッチンに入れなくなってしまったのだからどうしようもない。
考えを打ち切るようにタイミングよくチンとオーブンが音をたてた。


「よ〜し、出来上がり〜!」


あら熱をとって紙袋に入れたら、これはパールにあげる分。
本当ならお嬢様にもプレゼントしたいところだけれど、当の彼女はその才ゆえにナナカマド博士の助手を任されているらしいのだから迂闊に訪ねることも躊躇われる。
テンガンざんに調査に行くのだと、数日前に教えてもらったから今はマサゴにいるわけでもないし。
当然、テンガンざんまで行くのは骨が折れる。
俊巡の後に机の上に袋を戻すと、口のまわりにすでに食べかすをたくさんつけたべーが嬉しそうに抱き抱えた。


「わあ!?」


驚いたものの、今さらどうってことない。
いつものことなので笑いながら頭を撫でて、だけどみんなの分も残さなきゃダメだよ、と怒っておく。
さて、パールにクッキー、渡しに行ってあげようかな。


「べーも行く?」


「!」


もちろん!と言うようにうなずく彼だけれど、意地でも離さないつもりなのかクッキーを急いで口に頬張るから笑ってしまった。



勝手知ったる幼馴染みの家のドアをノックするとすぐにパールのママが出てくれる。
こんにちは、よかったら作ったんで食べてください、と紙袋を持ち上げて見せるとお礼の言葉を返された。
まだもぐもぐ口を動かすべーはオイラの後ろに引っ付いてきている。
いつもならこのくらいの間合いでパールが部屋から下りてやってくるのだけれど、何故だか今日は姿を表さない。
どうしたのだろうと首をかしげるとパールのママは小さく息を吐き出した。


「何だか昨日から元気がないの。ダイヤくん、ちょっと声をかけてもらってもいいかしら?
ダイヤくんにならあの子も本音を話せるだろうし」


昨日といえばパールは確か、師匠に会いにノモセシティに行く!と言っていた気がする。
ノモセで何かあったのだろうか。
ちょっと心配になったけれど、きっとパールのママはオイラ以上にずっと心配してたんだろうなと思ったから、笑顔で分かりましたとこたえておいた。
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