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□こいのぼり
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なんとか完成させたそれは、
スーパーで売っているプラスチックの安物よりも低い完成度でした。

我ながらショックで、渡すのはかなりためらわれます。


「けど、見せるだけなら、いいですよ……ね……?」

時間をかけて作っただけあって、見せたいというのもまた、事実でした。

つたないこいのぼりを紙袋に丁寧にいれて、外に飛び出します。


「レッドさん!?」

何でかレッドさんは、僕の家の前にいました。

いつからいたのでしょうか?

全く気づきませんでした。


「どうして……!?」

「イエローのラッタが見えたから、つい、追いかけてみちゃって」

それは不覚とまではいいませんが、嬉しい誤算でした。


「レッドさん、その、コレ……!!」

手渡した紙袋を、覗きこんで目を見開く彼に、
どういう感想を言ってもらえるかも、恥ずかしくて最後まで聞ききれる気がしません。


「それじゃ、その、また!」

慌てて家に戻り、玄関を閉めますが、ドアに背をあずけると動ける気がしません。


「ありがとう、イエロー」

背中越しに彼の声が聞こえた気がして、慌てて扉を開きました。

けれどそこには、もう立ち去る姿が少し見えるだけで、
追いかけても追い付けないと思います。


「レッドさん!大好きです!」

思ったのとは違う言葉が出て。


「っ…………!」


今度から、まともに顔を見れそうにもありませんでした。





 こいのぼり

 (ボクじゃ、あなたを笑顔にできませんか?)

















謎に敬体でした。
我ながら書きにくいのに何故……!

しかも、まあ、いつもと同じですが意味不明ですね、ははは…(笑えない)

とりあえず7000Hitありがとうございました!
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