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□ポケモン・クエスト!
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ポケモン・クエスト!





〜前回までのあらすじ〜

マサラタウンを出発した新人勇者、グリーンは才能ある新人召還師レッド、
悲しい過去を背負う泥棒にして新人魔導師のブルーとチームを組み、
各地で待つ「ジムリーダー」を倒しながらクエストをこなして、勇者のレベルを上げていた。

最終決戦と言われていたグレンジム、ジムリーダーのカツラを撃破したグリーン一行だったが、
伝説とされていた悪の根源、ミュウツーに遭遇する。

戦いを挑むも殲滅され、ハナダにて待つと言い残し、ミュウツーは去って行ってしまう。

ミュウツーを自分達で倒すため、勇者の中でも最高峰に位置する「リーグチャンピオン」に勝利するため、
四天王に苦戦しつつも「チルドレン・ブレイヴ・リーグ」を制覇した一行はいよいよハナダの洞窟にて
ミュウツーと数ヵ月ぶりの再会をはたしたのだった!





 ***





「くっ……ミュウツー、お前は他のポケモンとは違い、意思を持ち、言葉を俺たちと交わすことができる!
 それなのに、何故! 何故っ、俺たちの前に敵として表れるんだよ……っ!」

召還師であるがゆえに、かなりの距離にいるレッドは声を張り上げる。

遠距離攻撃と回復を担当する魔導師であるため、
彼の隣に立つブルーも煮え切らない表情で叫び、問う。


「あなたは私たちに言ったわ、

 『私を造り出したのはお前たち人間だ。
  価値もない意味もない私を造った理由は何なんだ。
  理由も無しに、強さだけを求められ生まれさせられたくは無かった』と。

 そんなことは無いわ、あなたは価値ある、意味ある理由ある生命体よ!
 あなたが造られたのは、強さだけを求められたからじゃない!」

自身の言葉を覚えていたからだろうか、ミュウツーの瞳がわずかに揺れる。

グリーンも剣を構え直し、相対する位置で静かに言い放つ。


「少なくとも俺は、お前を倒すためだけにここまで来た」

『…………そんなことは分かっている』

とたん、鋭さを帯びて殺気だつミュウツーに、怯えることなく淡々と続けた。


「造られた者だからと言っても俺にはファイヤーやフリーザー、サンダーなんかと変わらないように見える」

伝説の悪を司る3体の鳥ポケモンを倒したことをさりげなく自慢するわけでもなく、
表情も変えずに、構えを解くわけでもなく。

ただただ話すだけのグリーン。


『何故、お前もそんなことを…………!』

「お前だってあいつらと同じ、ポケモンだろ」

『!』

刹那、驚いたかのように怒りを含んだミュウツーのオーラが消滅する。

見計らったかのように不敵に笑い、剣を振り上げたグリーンは静寂の中、小さくともよく通る声で呟いた。



「―――――バトル、開始」
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