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□計画的策略、進行中
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しとしと、黒い雲から降る透明な雨には、一体何が映っているのやら。
ぼんやりと、そんなとりとめのないことを思いながら葉に乗った雫を爪で弾いた。
「グリーン」
「…………。」
つまらない、また無視だ。
さっきからこれのエンドレスループ。
いい加減、返事のない状況も飽きてしまった。
「グリーン、グリーンさーん」
「……………」
「♪グリーングリーン」
「…………………」
「グリーンピースー」
「………………」
「グリーンスムージー」
「…………………」
「グリーンのバーカー」
「……」
「グリーンバーガー」
「………………」
書類を机に置くグリーン。
あ、やっと生徒会の仕事が終わったのかしら。
嬉々としてグリーン、ともう一度呼んだらにらまれた。
ひどいわ、私が何をしたって言うのよ。
「さっきからなんだ、五月蝿いな」
「だってつまらないんだから仕方ないじゃない。
一緒に帰ろう、って誘ってきたのはそっちなのに仕事なんて、腹をたてて文句言える?」
「…………すまない」
「ふーん。だったら速く仕事、終わらせてよ」
さすがのグリーンも言い返してこなかった。
そりゃそうよね、正論なんだもの。
「暇だわ…………」
暇潰しにレッドを騙してこようかしら。
理不尽だけど、レッドならきっと何とかできるだろうし、憂さ晴らしには案外向いているかもしれない。
「私が戻ってくるまでに終わらせてよね!」
ふざけたように笑って言うと、面倒くさそうにあしらわれてしまった。