文章
□計画的策略、進行中
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「ふう」
先生にレッドについて、あることないこと言ってきてやった。
きちんとレッドが誤解を解いたとしても「えへ☆ブルーちゃん間違えちゃった!」って誤魔化せる内容だ。
いや、そんなキモいこと言わないけど……え、言わないわよ?
ある程度気を使って時間を浪費したつもりだ。
このくらいならグリーンも仕事、ちゃんと終わったころだろう。
「グリーン終わった?」
勝手知ったる生徒会室。
それはそれで危ない感じだけど、通いなれてしまったのだから仕方ないじゃない。
ノックも当然のようにしないまま開けた。
「…………ブルーか」
「あら、まだ終わってないの?」
「いや、終わった。あとは担当教員に渡すだけだ」
ペンケースを手際よく片付けていく。
あら、もしかしてグッドタイミングだったんじゃないかしら!
無意味にテンションが上がる。
だから、だろうか。
無駄に試してみたくなって、折り畳み傘をわざと生徒会室に置く。
「何してるんだ、行くぞ」
「あら、待ってよね?私は今まであなたを待っていてあげたんだから」
分かった分かった、とあしらわれる。
それじゃあ行きましょう、と先を促した。
***
委員会が終った直後なのだろう、職員室には教員がせわしなく動いていた。
……と、レッドが端でしかられている。
バレないようにしなければ。
首をひっこめて、廊下で待つこと数分。
窓の外を見ると、何故だかゴールドとサファイアが走っている。
あの体育会系の後輩は……もしもレッドをはめていなければ、レッドもあそこに混じっていたかもしれないわね。
それは考えてみれば恐ろしい話だったけれど、まあ気にせずに。
失礼しました、小さいけれどよく通る低い声。
次いでガラガラと扉を閉める音。
「問題、あった?」
「いや、大丈夫だ。帰ろう」
「そうね。帰りましょう」
何気無いようにグリーンの左手の自由を奪う。
ぎゅっ、と抱きついて。
周りの目なんて気にしないわ、唯我独尊それがブルーなんだから!
「ね、帰りにアイスおごって!」
「…………雨降ってるぞ?」
言いたいことは色々あるがとりあえず、みたいな感じで言われた。
ふん、言いたいことあるならハッキリ言えばいいのに。
イヤガラセも兼ねながら抱きつく強さを強くした。
あはは……顔を見られそうもない、やっぱ勢いでやるもんじゃないわね。