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□心配性な少女達
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それから数日後。

色々とバタバタしてしまって、お風呂に入るのも深夜帯になってしまって。

早く寝なければ寝なければ、と思うわりに行動にスピードが伴わない。

リビングから自室に移動する頃には、午前2時をゆうに過ぎていた。

そんなだったから、だろうか。

偶然覗き見た、少し開いたお兄ちゃんの部屋の扉。

お兄ちゃんはベットに突っ伏して眠っていて、
それなのにPCの電源はまだ入ったままのようだった。


「お兄…………」

呼び掛けようとして、また前回のように険悪な雰囲気になってしまったらどうしようかと。

不安になってしまえば、声が掛けられるはずもなく。


「PC消す、だけだから」

兄の部屋に、数日ぶりに踏みいった。

兄がいつも座っているだろう椅子に座り、マウスを握る。

とりあえず、よく分からないけれど開いていたモノを閉じていく。

怒られたら嫌なので、「保存しますか?」の問いには全て「YES」をクリック。

上書き保存もためらわれたから、新しく別個で保存。

これなら怒られることもないだろう。

ようやく全てのウィンドウが閉じた、シャットダウンしようと画面右下をダブルクリック。


『あ、あのっ!』

少女の声がヘッドフォンから小さく聞こえたのは、そんなタイミング。


「? 隠しウィンドウでもあるのかな……ヘッドフォンから、声がするなんて」

分からないままに、分からないなりに。

とりあえず問題の、ヘッドフォンを装着した。


『やっと着けてくれましたね!』

「えっ!?…………あなたは?」

画面に突然、満面に笑みを浮かべ現れる青色のジャージを着た、可愛らしい少女。

まさかお兄ちゃんにこんな趣味が。

話しかけても仕方ないだろうと思う反面、こちらの行動が分かるかのような言動に声を出してしまう。

にこっ、と画面に現れた彼女は笑い直すと、口を開いた。


『あなたはご主人の妹さん、ですよね!
 私は、えのも…………エネといいます!』

「エネ、ちゃん…………?」

『はい!これから、よろしくお願いしますね、妹さん!』

明るく笑うエネちゃん。

この不思議な子は、アヤノさんに変わり、お兄ちゃんの心を慰めてくれているんだろうか。


「うん。こちらこそ、よろしくね!」

だから私も、決めたんだ。

できるだけ楽しそうにして、笑っていることにしようって。

ベットの上で眠る兄の目からは何故か、一筋の涙がつたっていた。


 心配性な女達

 (だって彼を支えるなんて、どうやったらいいのか分からなくて)























モモ→シンアヤ+エネ、みたいな感じになったかもしれません。

エネとモモの出会いを勝手に考えてみました。

きっとカゲロウ(小説)内で明かされることはないと勝手に思っています。

さて、シリアスっぽいのを目指しましたが、シリアスというよりシリアルみたいになりましたね。

いやシリアルっぽい小説って何かは分かりませんが。

シンタローがわけ分かんない奴みたいになってしまってすみません。
でもロスタイムメモリーPV見る限り、こんな感じの気が……違うね、うん。

キャラ崩壊すみませんでした。
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