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□この勇気はあなたがくれた
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レッドとサファイア



今日は先輩の誕生日だったと!

だけん、あたしは早起きしてソッコーで先輩の所に向かったったい。


「せんぱい!おたんじょーび、おめでとーございますったい!」

「うおお、サファイア?ありがとな」


突然の訪問に驚いたようだけど、先輩はいつものように
太陽みたいなあったかい笑顔を向けてくれたけん、あたしも笑ってしまったと。

何か忘れてる気もするけど、きっと気のせいったい!

…………あああっ!


「せんぱっ、すまんち、あたしまた戻らないかんと!
 プレゼント、せっかく先輩の誕生日なのに持ってきてないけん、取りに帰るったい!」


気のせいにして忘れようとしたのに、不意に思い出してしまったと。

思い出したかったんは事実やけど、先輩の笑顔がしゅるしゅるしぼんだんはあたしのせいだ。

でも渡さないかんし、あーもう!

どうしたらよか!?


「気にすんなって。今度会いに来てくれる口実にもなるし、俺はむしろ嬉しいぜ?」

「せんぱ……!?な、何ば言いよっと!?」


おどおどする私に先輩の笑顔。

きゅん、って胸の奥が痛くなる。

何で?

あたしには分からんままったい。


「口実って、私は先輩に理由が無きゃ会いに来ちゃ行かんと?」

「そうじゃないけどさ。
 理由も無しにサファイアがカントーまで来ることなんてないだろ?」


眉毛を下げて乾いた笑いをもらす、また笑うなんて反則ったい。

笑ってばっかり、それは確実にあたしのためであって。


「……先輩、無理して笑わんといて?
 理由が無くともあたしは来とるし、それに私、先輩大好きやち。
 そんな悲しい笑顔、見たくなか」


真剣に目を見て伝えると、何だかやっぱり恥ずかしいな。

目をそらしたくなったけれど、ぐっと恥ずかしさをこらえて見つめ続けた。


「ありがとな、サファイア」


目尻を下げて優しい言葉で、彼は言ってくれたんだ。


「たとえそれが嘘だとしても嬉しい。
 俺もサファイアの笑顔、大好きだぜ?」

「!」


嘘じゃないのに。

先輩は私とルビーが付き合ってると思ってるから。

確かにルビーは好きだけど、先輩を想う好きとは違うのに。


「…………先輩、」

「?」


何と言っていいのか分からなくて、彼を呼んだ。

いつも通りの優しい笑顔。

きっと金髪のあの先輩へ見せる笑顔はもっと輝いてるんだろうと思うとちょっと苦しくなる。


「何でもなか!ケーキ食べたいったい!!」

「サファイアの誕生日じゃないんだけど……まあいいか、ケーキ食おうぜ!」


はしゃいでみせると、また笑ってくれて幸せだと感じた。

あなたに告白する勇気はないけど、恋する勇気は、あなたから会うたびにもらってるんです。

そんな勇気、あなたは私が得ていることを喜ばないだろうけど。

暗い気持ちに気づかないフリをして、ケーキにかぶりついた。


 この勇気はあなたがくれた

 (一生の宝物です!)























意味深感満載!
レサファというマイナーすぎるCPは友人にも無いと言われてしまいましたがやりましたよ!

個人的に、レイエだと思い込んでるサファイアと
ルサだと思い込んでるレッドの組み合わせは面白そうだと思ったのですが……。

見事に玉砕ですね!

サファイアの方言分かんない!
レッドさん、お誕生日おめでとう!

 title by:確かに恋だった




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