企画

□す(ゴークリ)
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※現代風パロ


がたんごとん、と定期的に規則的に揺れる電車の中でクリスは一人でため息をはいた。

聖夜―――クリスマスイブ。

今日は絶対に早く帰ってこいよ、と言って見送ってくれたゴールドが思い出される。

はあ、とまたため息をはいながらもケータイを開いた。

時刻は22時50分を過ぎている。

お世辞にも早いなんて言えない……とりあえず『ごめん、今電車に乗ってる』と
文章を作成してゴールドに飛ばした。

(仕事が、無かったら)

仕事ばかりしていて常日頃から“仕事病”だと言われ続けるクリスだが、
今日ばかりは仕事を恨めしく思った。

(もう、どうして月末になると仕事が倍増するのよ!)

仕方のないことのはずだし、実際仕方ないのだけれど、
家で待ってくれているであろうゴールドを思い浮かべると―――悪い気になる。

クリスマスくらいは、恋人らしく早く帰って、他愛ない話、したかったなあ。

がたんごとん、と揺れる電車の速度さえも恨めしかった。


***


びゅおおう、と風が泣きながら耳元を一層冷やして去っていく。


「寒い……」

かじかんだ両手をこすりあわせて、摩擦を起こしながら帰路を急ぐ。

きらびやかなイルミネーションがより一層罪悪感を強めた。


「…………よお」

「!?」

ぬっ、と死角から現れた腕にぎょっとして後ずさる。

痴漢!?等と可能性を瞬時に考えるも、目の前の人物を見て言葉を失った。


「ゴールド!?な、何であなたがここに!?」

「メール着てたからさ、駅まで行こうと思ったけど……遅かったかあ」

けらけらと。

何事もないかのように、いつも通りに明るく笑うゴールド。


「ねえ、ゴールド」

「ん?」

2人で並んで歩きながら家に向かう。

互いに数歩の間は無言だったが、堪えきれずにクリスから問い掛ける。


「ごめんなさい。今日こそは早く帰ろうと思ってたんだけど……」

「別に気にしてねーさ、そんなこと。仕事お疲れな」

「ん……ありがと」

そっけなく、でも優しく言ってくれてホッとした。

それに嬉しかった。

(でもやっぱり罪悪感は残るけど)


「はー、どの家のも凝ってんな」

「そうね」

サンタが点滅していたり、トナカイが駆け回っていたり。

夜の徘徊も悪くないかも、なんて。

と不意に、くいっと腕を引っ張られた。


「ふわあっ!?な、何!?」

「走ろーぜ!」

腕をひいて、先頭を走るゴールド。

暖まるし早く家に着くし、一石二鳥だろ?と得意気に言うゴールド。

触れた彼の手は、私よりもほんのりと温かかった。

昔から変わらない、そんなあなたが大好きよ、なんて。

いつもは言えないようなことも言えるような気がするのは、
クリスマスだからだろうか。


「ゴー、ル、ド!!」

「ん?」

走っているから前方を見たまま。

今なら素直になれるから、と言葉を紡いだ。


「大好きよ!」

「おっ、おう」

不意討ちだったのか、驚いたかのような返答が返ってくる。


「はやく帰ってケーキ食おうぜ!」

「うん!」

走り出す、夜空の下。

こんなクリスマスも悪くはないかな、なんて思えた。



遅れてサプライズ

(おめえと過ごしたいから、ずっと待ってたんだぜ?)














ゴールドというよりもヒビキくんっぽい気がするけど、気にしてはいけない。
クリスって仕事ばっかしてそうですよね。

クリスがちゃんとクリスマスに休みとれたverも検討しましたが、
こちらは完璧にゴールドが誰状態に陥ったので止めました。
(最早ヒビキくんですらなかった、本当に誰だよ……!?)

ゴールドにもデレ(?)みたいなのがあるはずだ、と書いてみた。
あれ、あたしデレを追求しまくってる気がしてきた……。
優しさに飢えてるんです。

どんどん短くなっていっている……!
ごめんなさい……。

感想とかいただけると嬉しいです……!
 

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