企画
□ま(ルサ)
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※現代風パロ
きらびやかなイルミネーションが夜空に華を沿える。
よりいっそう温かみと神聖さ、美しさを兼ね備えた光が包み込むようで……。
「ふわああ、クリスマス期間中はこげんことになってるかと!?」
淡いオレンジの光を目に映し、頬を紅くさせて叫ぶように言うサファイア。
気に入ってくれたようでよかった、とホッとしながらも彼女に笑いかける。
「寒くないかい?そんな格好で」
「これくらい何でもなか!それより、ジェットコースター!乗ってみたいと!」
寒々しい格好のサファイアはなかなか頼もしいことを言いながらも、
ジェットコースターを指差して子供のようにはしゃぐ。
やっぱり来てよかった、と改めて思う。
サファイアが遊園地に行きたそうにしているのではないか、と気付いたのは数日前のことだった。
***
『……綺麗ったい、ね』
ふと偶然、何度も見たはずのCMを見て小さく呟く声が聞こえた。
『あんな大っきなクリスマスツリー、本当にあるんやろか?』
目を少しだけ輝かせ、うずうずと体を動かすサファイア。
ああもうこれは、連れていくしかないだろう?
『サファイア、12月24日空いてる?』
『イブったいね!空いてると!』
ニコニコと笑いながら、自分がCMを見て呟いた言葉など気付いていないように。
気付かれていないと、思っているように。
『楽しみにしててね?』
『ふぇ……!?ルビー、何する気なん!?』
びくびくとからかいながらも、体を震わせて大袈裟に狼狽えるサファイア。
僕は笑って誤魔化した。
***
遊園地なう。
ジェットコースターを満喫したのか、サファイアは頬を紅くさせてルンルンしてる。
楽しそうだね……僕は気分が少し悪いよ……。
「ルビー、大丈夫かと?もうすぐ閉園時間になるったい」
「うう……じゃあ最後に、あれだけでも……僕と乗らないかい?」
指差す先は、大きな大きな円。
デートといえば外すことなど何故考えられるのだろう、と思われるほどに
定番中の定番の乗り物。
観覧車がそこにはあった。
「観覧車?あれったいね!」
「うわあ、サファッ、もっとゆっくりッ……!!」
僕の腕を強く掴み、駆け出すサファイア。
僕は脳を揺らしながら引っ張られるしかなかった。