企画

□ジョウト組
1ページ/2ページ




ははは、とゴールドは乾いた笑いをこぼした。

隣に座るクリスも、心なしかひきつった表情。

はあ、と俺はため息をついて仕方なく、この場で全員が思っていることを口にした。


「新年からオールだな……」


 ガヤガヤ・サンライズ


12時を過ぎ、3人で明けましておめでとうございます、と言いあって。

そこまでは良かったのだ。

例のごとく俺の隠れ家に押し掛けてきた2人(クリスは申し訳なさそうにしていた)だったが、
さすがに節度はわきまえているらしく、本日はゴールドの部屋にて3人そろっている。

新年の挨拶を終え、特にすることもなく黙り込み、帰ろうかと思った時だ。


『な、マリパやらね?』

元旦から何言い出すんだこの爆発頭、思考回路も爆発したのかとも思ったが。


『えー、帰んのかよシル公ー、まだ遊ぼうぜー?なあ、なあー』

五月蝿かったので結局引き受けてしまったら、年が明けた直後だというのに3人でDSを握っていた。

何故だ。

しかもマリカでもマリブラでも無く、何故マリパ。

ゴールドの中では新年もパーティーに換算されるのだろうか?

それから(主にゴールドが)無駄に負けず嫌いを発揮し、ズルしただのしないだの、
何回も何回もプレイして。


『ね……今、何時?』

クリスがもう目が限界、と訴えてそう続けて、年が明けてから初めて時計を見た俺たちは
ただただ呆然、唖然とするしかなかった。

ようやく冒頭に戻る。

マリパやりまくって新年からオールなんて、世界中探しても俺らしかしないだろう。

何してんだろう俺ら……。

そんな、新年から落胆(?)する俺たちの気持ちを一切汲み取らない男は
丁度良かった、と言わんばかりに今年最初の爆弾発言を投下した。


「どうせなら御来光、拝みに行かねえ?」

…………。

こういう時は何と返すべきなのだろうか。

思いっきり罵倒しても大丈夫なのだろうか。


「ゴールド、オールしてるんだぞ俺たち……?」

「ん?それがどうしたってゆーんだよシル公!よくあるこった、気にすんな!
 御来光拝みに行くなんてめったにねーぞ?多分だけどな。
 な、ついでに参拝すれば一石二鳥じゃねーか?」

「………………………………………そうだな」

「オイ、長い間があったのは俺の気のせいなのか?」

「……ノーコメント」

元気だなあこいつ、と感心する。

そういえば、昔は追いかけ回されたっけ。


「シルバーは来るってよ、クリスはどうする?」

「何故そうなった」

俺は答えてないが……まあどうせ俺には拒否権なんて無いんだろう。

新年早々、何してるんだか。


「私も、うん、だったらみんなで行きたいな」

ポケギアを操作しだして、きっとまたどこかと連絡をとっているんだろう。


「じゃあ、行くか!」

暖かそうなコートを羽織ながら、ゴールドが高らかに言った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ