企画
□シンオウ組
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「明けましておめでとう〜、パール」
「おうっ、ダイヤ!明けましておめでとう!」
寒いのに何かポリシーがあるのか知らないけれど、パールは今日も半袖だった。
「お正月だよ?長袖の服を着ようよ〜」
「んー、だって走ってれば温かくなるぜ?」
「いや、どうして走るの」
オイラはボケ担当のはずなんだけどな……なんでかツッコミをやっちゃった。
「それよりさあパール、お嬢様から年賀状が届いて、“よかったらいらしてください”って
書いてあったじゃん?」
「え、何それ俺のには書いてなかったけど」
え、そうだったの?
すっかり書いてあるとばかり思ってたから……お嬢様に悪いことをしちゃったなあ。
「オイラすっかり書いてあると思ってたから、電話して、
行ってもいいですか?って聞いちゃったよ」
「それで俺に“お嬢様の家に挨拶しに行こうよ〜!”なんて言いに来たのか」
「うん」
うなずくと、何故かパールはため息をついた。
「本当にお前らって……勇気だしてやっただろう行動が、ことごとく相手に伝わってないよな」
「なにそれ?」
パールはたまによく分からないことを言う。
けれどパールはいつものように「独り言だから気にしないでくれ」と言って、
またため息をついた。
そんなに新年からため息ばっかりつかないでほしいなあ。
「さ、とっととお嬢さんちに向かおうぜ!」
「うん!」
事前に言っておいたし、きっとお嬢様にちゃんと会えるよね。