企画

□デザート・コンフォテーション
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「料理?」

「はい」

いわく、スズナさんと話していたら料理の話になったらしく。

料理上手になってみたい、というような話に発展して。

女子のはしくれとして、一応は私だって料理ができる、と何故か言い争いに発展し。


「……スズナさんと料理対決をすることになったんです」

「何でだよ!?」

当然のようにツッコミはパール。

オイラとしては楽しそうだし、いいと思うんだけどな〜。


「じゃあ始める前に質問してもいい?」

「はい」

かしこまるお嬢様。

わざわざかしこまらなくてもいいんだけどな……まあいいや。


「これまでに料理をしたことは、ある?」

「ないです」

「………包丁を、握ったことは」

「ありません」

「……………台所に立ったことある?」

「私は立入を禁止されています」

どれも即答だった。


そりゃ、ね……お嬢様だもんね。

メイドさんが普通はやってくれるんだろうし。

大丈夫なのかな……。


「料理対決って、作ったものを持っていくの?」

「いえ、もうそろそろスズナさんもいらっしゃるはずです」

来るんだ……。

料理したことないらしいお嬢様だけど、対決なんて大丈夫かな。

何となく気まずい雰囲気をぶち壊したのは、あの人だった。


「やっほー!……って、あらあなたたちもいるのね」

ハイテンションで扉を開け、仁王立ちで登場したスズナさん。

やっぱりこっちは暖かいわね、なんて言っている。

……あれ、お嬢様も寒そうな格好してる。旅してた時の服かな。

……!

冬なのにオイラ以外はみんな袖が短い……!

いくらお嬢様のお屋敷は暖房が効いてるからって、季節感が無さすぎる。

見てるこっちが寒い。


「さて、料理対決……始めるわよ!」

下げていたポシェットから音もなくエプロンを取りだし、宣言するスズナさん。カッコいい。


「対決する料理は……デザート!どう?」

「分かりました、デザートですね」

笑う2人の交わる視線では火花が散っている。


「……じゃあ俺が審判な」

よーい始め!

パールがふてくされたように呟いて、対決の火蓋を切って落とした。


「始めるよ」


デザートか。

さて、何を作ろうか。
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