企画
□豆まきバトル!
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「ウオオオオオオオ!!」
「そんな全力でやるな、死人が出るから」
「中に入れろグリイイイイーンンンンン!!!」
豆まきとかいうレベルじゃない。
ビービー玉をマシンガンで打たれているかのようだ。
不運にも豆が当たってしまった部分は内出血を起こしている。
「……やったな?」
「やっと殺る気になったかグリーン!」
「殺りはしないが……ヤル気にはなった」
にっ、と笑うレッド。
「かかってこいやっ!」
「望むところだ!」
その日、ジムに挑戦しようと近づいてきたトレーナーは一人もジムに入れなかったそうだ。
***
「……ブルーさん!」
「あらイエロー、あなたも今から向かうところ?」
「はい!よかったら一緒に行きませんか?」
「そうね、行きましょう」
にこやかに笑う2人。
と、イエローが茶色の、ピクニックで使いそうな
可愛らしいバスケットを持っていることに気付く。
「それどうしたの?」
「手ぶらで行くのは気が引けて……恵方巻き、持ってきたんです」
「女子力高いわねー!」
「そんなことありません、全部“手作り風”ですから」
困ったように笑うイエロー。
煮え切らない返事にブルーも首をかしげる。
「“風”って?」
「買ってきちゃいました」
「あら、そういうことね。まあ恵方巻きなんて作るの大変そうだしねー」
照れ笑いするイエローにフォローを入れておく。
でも、“恵方巻きを持っていこう!”と思い付くこと自体が女子力高いと思う。
「……何だか騒がしくないですか?」
近づくにつれて。
何故だか大きくなる怒鳴りあう声。
「どこかでチンピラがケンカでもしてるのかしら……イヤね」
「はい……」
何だかしんみりとした、不快な気分にさせられた。
「……急ぎましょ、きっと待ってるわよ」
「そうですね、少し急ぎましょうか」
待っているだろうあの人を思い浮かべて。
……早く会いたい!
速めた足は、どんどん速くなっていった。