企画

□あいらぶゆーが言えなくて
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好きな子が、いる。

だけど自分から言う勇気なんてない……彼女もまた、言うようなタイプじゃない。

言わなきゃいけない。

言わなきゃ進展しないから。

ただの“いい先輩”で終わらないために、俺は自分に1つ課した。

バレンタインデー。

世間的には男の俺から渡すのだから逆チョコ、と言うらしいが。

それをしようと、思う。

男からの逆チョコなんて、本命に決まってんだろ?

渡すときに、言うのだ。

好きだ、と。

我ながら乙女みたいな思考だと思う。

嫌われやしないかな、とは思うけれど。

断られたら、いつもの空元気で『なんだ本気にしたのか?嘘だよHAHA』と笑い飛ばせばいい。

泣きそうだったら、そのあとトイレに駆け込めばいいじゃないか。

……ヘタレだって?

仕方ないだろ、自覚してるから大丈夫だ。


「……ってマジか」

動揺していたらしい、いつもより更に早い学校に到着。

だけど俺の教室の鍵は無い、こんな朝早くから来てる人もいるんだな。

すげえな、と思いながら教室に向かう。

……そこに彼女がいたからびっくりだ。


「イエロー?」

「っ!?れ、レッドさん!?」

思わず声をかけてしまったけれど、こんなところで何してるんだ?

顔が赤いんだけど、期待してもいいのかよこの展開。

俺の机に手を置いてるなんて、都合よく解釈するぜ?


「………イエロー、」

沈黙に乗じて、きっと今日も遅刻ギリギリだろうから授業後に渡そうと思っていた
例のブツを取り出す。

こんな展開、乗っからなきゃ勿体ないだろ。

落ち着け俺、言えばいいだけだ、いつも思ってることを。


「は、はいっ!何ですか?」

視線を俺と合わせずに、キョロキョロ動かしながら赤いイエローは返事した。

よし、頑張れ、俺。


「これ今日、バレンタインだから……はい」

「レッドさんから……!?あ、ありがとうございます……!」

喜ぶイエローはかなり可愛い。

勢いにまかせて口を開いた。


 あいらぶゆーが言えなくて

 (きっと今なら言えるはず)













バレンタインでイエ→←←レな感じを目指しました。

時間かかったのにこのザマだぜ!ははは!(自虐)

レッドさんは断られなくともトイレに駆け込んで叫んでればいいよ。
マジかッ!幸せすぎて死ねるぜちょっとコレ現実かよ!?とかって言っててほしいね。

……キャラ崩壊が過ぎましたね。

逆チョコもアリだよ!と言いたかっただけですごめんなさい。
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