企画

□エイプリルフールのいたずら
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どういう意味ですか!?と言及するよりも早くに、レッドさんが帰ってきた。


「はい、イエローにもお茶」

「あああああ、ありがとうございます……!」

「?」

お茶ごときでそんな言われるとは思わなかったのだろう、首をかしげるレッドさん。

でもボク、レッドさんにお茶をいれてもらっちゃったんだよ!

わあ、お茶……嬉しい。

両手で持ち上げて一口こくり、と飲めば暖かな気持ちで胸もいっぱいになる。

こっそりレッドさんを覗き見たら目があって、すっごい焦った。


「ところでさ、レッド」

「もう騙されないぞ、ブルー」

ブルーさんが言ってしまう!と身構えたけれど、険悪そうな雰囲気で。

レッドさんはブルーさんをジトッとした目で見ている。

何かすでに嘘をついたのか、ならボクが女の子だってバレないか、な……?

でもちょこっと複雑だ。


「そんなに疑わないでよ。イエローって女の子なのよ?」

「知ってる。イエローって可愛いいし、本当に女の子っぽいよな!」

!?

レッドさん今、『知ってる』って言いましたか!?

突然のことに頭がついていかない。

しかもか、可愛いって!!


「し、失礼しましたっ!!」

恥ずかしくてこの場にいられる気もしなくて、逃げ出すように帰った。


イエローが帰っていってしまった。

さすがに悪いことしたかしら、と今更ながらに思うものの。

予想外の返答にびっくりしたのはブルーも同じだ、涼しげなレッドに疑問をぶつける。


「レッド、何よさっきのは」

「さすがに『可愛い』はショックだったか?」

……はあ?

何を言っているんだ、と聞き返したらしたり顔で返される。


「エイプリルフールだからな、俺を騙そうとしたんだろ?
 でもイエローも気分悪くしたよな、やっぱ男に『可愛い』はアウトだよな……」

「……あっそう」

このニブチンはまだ気付かないらしい。

いつになったら気付くのかしらね、考え出したら気づかない気しかしなくて困るわ。


「でも本当に、イエローって可愛いよな」

「天然タラシ!!」

はあ、俺が何をしたって言うんだよ!?

怒鳴るレッドから逃げるように、私もレッドの家から退散した。



それから数ヵ月もしないうちに、本当にジョウトが大変なことになるなんて思いもしなかった。






 エイプリルフールのいたずら

 (誰も彼もが勘違い!)













何がしたいのかって、自分でもわからない。

こりゃダメだ。

イエローがレッドに女の子だってわかる前の設定のくせに、シルバーの影がチラつくまさか。

時系列とかこれで合ってる…の……か?

(パロディだと気づく人が何人いるだろうか……)
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