創作

□変化する日曜日
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色々あったなあ、とまどろみの中でぼんやりと思った。

心配したり羨んだり、苦しんだり戦ったり、怪しんだり笑ったりの1週間だった。

少なくとも、そう思う。

思いたい。

無事(?)に昨日見つけ出したサイコロを、積雲は振ったのだろう、今日は朝から太陽が照りつけている。

カーテン越しに日の光を感じながら、名残惜しいが布団を出た。

昨日、母さんに(主に傘がないことを)変な目で見られた以外は何事もなかった。

そういえば帰ってきたら早々に『凪くんと秋和ちゃんって一緒の布団に寝たのかしら?
凪くんって寝相悪いから……布団、貸せばよかったわねえ』なんて言われたから面食らった。

一緒の布団に寝るわけがないだろ、この年で。

中3だぞ……軽く戦慄しながらそう言うと、母さんは不思議そうに
『でもあなたたち、よく同じ布団で寝ていたじゃない』なんて言うもんだから。

だからそれ、いつの話。

しかし真偽を確認するのも、俺の人間としての何かを疑われそうだ。

凪と秋和は相思相愛だしな、案外同じ布団に寝ていたりして?

……これ以上このことについて考えたり、思い出したりするのはよそう。

早くに起きないとご飯たべちゃうわよー、なんてのたまう母さんの声が聞こえてくる。

さて、朝食をとるか。

階下に下りると、何故か凪がいた。


「ったくもー、起きるの遅いなあ、そんなだと入試の日にも寝過ごすぞ?」

「寝過ごすはずないだろ」

にこやかに母さんが作ったであろうサラダを食卓に並べる姿は、何の違和感もない。

違和感が無さすぎて怖いのだが、どう対処すべきなのだ俺は。

フリーズした俺の思考に気づいたのか、凪はニヤッと維持悪く笑う。


「俺より頭のいい梨夢に質問をしに来たんだぜ!」

「塾に行けよ」

「冷たいなあ梨夢〜、この時間から塾が空いていると思うのか?」

そんなに理解したい問題があったのか。

だからって俺の家に来るなよ、と一応怒るが、母さんの『いいのよ、いつでも来てね!』に瞬殺された。

自分でも不思議なのだが、なぜこの母から自分のようなヒネた息子が生まれたのだろうか。


「つーかこのジャガイモの奴!めっちゃ美味いっスね!」

「そう?よかったらお土産に持って帰ってね!」

「ありがとうございます!」

自然に食事が始まっている。

俺を待てよせめて……そして凪は遠慮しろ。

ジャガイモの奴、じゃなくてポテトサラダと言え。

突っ立ったままでは何も始まらないので、座って俺も朝食を食った。
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