創作
□正しい魔導書の使い方
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要約すると、こういうことらしい。
今朝7時45分。
唐突に放送委員会に入っているわけでもないのに放送室に姿を表し、
世界の破滅だの何だのを校内の生徒に放送で演説するとか言ったらしい。
騒ぎを聞き付けた校長が止めに入ると、辞書片手に
意味深な事を言い出したので取り上げたら、ハゲだとか言われた、と。
姉の中二に磨きがかかっていた。
中二のくせに無駄にアクティブだった。
行動力のある中二ってどうしようもないと思う。
「すみませんでした……」
「今回は未遂に終わったからこの程度だけれど。
しかし君のお姉さんは、なかなか問題が多いようだね」
親がいないからかな、と。
校長の口から、呆れたように吐かれた言葉に、姉が目をむいたのが分かった。
「そんなこと、ないっ……!!関係、ないじゃんかよっ……!!」
絞るようにいって、ついには泣き出してしまう。
面倒だと思ったのか、校長にそのまま帰るように言われた。
まだ泣いてるってのにな!
気まずい中、下校した。
***
「ごめんね、勇李……」
夕日をバックに神妙な顔つきで言い出されても、戸惑うことしかできない。
「急に、何。どうしたの」
「私、いよいよダメなの……」
意味不明だ、いつものことだが姉は話を聞く気がなさすぎる。
「性格が、見えるんだ」
「…………は?」
時間が止まったかと思った。