episode 2
□先輩として
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『クリスが言っていたことが本当なら、その動き出したリニアは何のためにこっちに向かってるんだ?』
「何って…、会場を混乱させるため…じゃねーのか?」
『いや…、俺が思うに、そのリニアにはロケット団の残党が乗ってるんじゃないのか?』
「え…」
グリーンの言葉に茫然としたその時、リニアが会場へ入ってきた。
「チッ、間に合わなかったか…!」
リニアの扉が勝手に開き、中から出てきたのは…
「『…ッ!』」
グリーンの言うとおりだった。
会場を埋め尽くそうとする黒服。
『ジムリーダー達で何とかする!お前はお前の方をやれ!』
「あぁ!」
ブツ、と通話が切れる。
(……待て、よ…?)
そこで、ふと思った。
(ロケット団にとって、ジムリーダー達は邪魔でしかないはず。なのに、なぜわざわざ敵地に乗り込んでくる…?)
と、先ほど送り出したゴールドとクリスが闘技場に入ってくるのが見えた。
それと同時に、ジムリーダー達はロケット団制圧のために、リニアに乗り込んでいく。
(…そうか!相手の狙いは…!)
気づいて再びグリーンに電話をかけようとしたが、すでに遅かった。
ジムリーダー達を乗せたリニアの扉がまた勝手に閉まり、闘技場を出ていく。
(邪魔なジムリーダー達を一掃…!やってくれる!)
カタカタ、ともう一度意識はパソコンへ。
その時、ドオオオンッ!とすごい音をたてて、闘技場が煙に包まれた。
「ったく…次から次へと!」
バッとそちらを確認すれば、
るギアとホウオウが攻撃を始めていた。
「…おいおい、あんな攻撃食らったらいくら中枢でも洒落にならねえぞ…?」
ルギアとホウオウのあの凄まじい攻撃。
「ッ…!」
そして、どこを探しても見つからないリニアの操作画面が、さらにライトを焦らせた。
(何で…、何で見つからねえ?)
大きなディスプレイに出るのは大量の”警告”の画面ばかり。
(特殊なパスも幾つかあったが…全部通った。セキュリティ自体は生きてるんだ…)
「システムに異常はねぇのに…」
ポツリとそう呟いたその時、
ガアアアアン!!!
と。
ルギアとホウオウの攻撃が、
コントロールルームを直撃した。