episode 2
□所有者としての
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「ハァ…」
一緒にパソコンを処理したマサキには、ナナミを病院に連れていくように言い、今は一人だった。
(マサキがいなかったら、リニア、止められなかったかも、な…)
久しぶりに触った機械。
昔からこういうのをいじるのは好きだった。
(クリスやゴールド達も…大丈夫かな…)
自分が少しの間とはいえ気絶していたせいで、状況が全く分からなくなってしまった。
独り、コントロールルームで蹲る。
(…いや、これでよかったんだ。俺は、突っ込みすぎていい立場じゃない。)
ズキズキ、と頭の傷が痛む。
体にも無数の傷ができていた。
『是非、君たちの力を借りたい!』
深く突き刺さったままの、理事の言葉。
(図鑑所有者…か。)
今、ライトは全てのトレーナーの頂点にいる。だが、それが達成できたのは”所有者”として旅ができたからだろう。
「グリーン…、レッド…」
ポツ、と出た言葉。
「呼んだか?」
「!」
届くはずのないその声に、返答がついてきた。
ポン、と肩に手を置かれ、はっと顔を上げる。グリーンの顔だと理解するのに数秒かかってギョっとして立ち上がる。
「グ、グリーン!?なんでここに…」
「お前こそ。独りで何をしているんだ。」
恐る恐る、グリーンの顔色をうかがえば、彼は呆れ顔だった。
「ライト…?」
更に、後ろからの声。
「レッ…ド…。」
3年ぶりの再会。
「ライト!! 久しぶり!髪伸びたな!」
いやそこか、と思わず突っ込んだ。