episode 2
□先輩として
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(…システムを完全に落とされたな…、よし、)
「エレブー、頼む。」
この3年のうちに増えた手持ち。こんなところで使うとは思ってもみなかったが。
「10まんボルト…じゃ大きすぎるな。でんきショック!」
…電力を落とされたのなら、自分で作ればいい。
プツッ、と画面が灯った。
「よし…!」
それと同時に一気にタイプを始める。
流石ポケモンリーグの中枢機関だけあってロックは厳重だ。
「っと…この方程式は……」
カタカタ、なんていうレベルの音じゃ全く似合わないほどの速度で、ぶつぶつ呟きながらパソコンと対峙する。
「す、すげぇ…」
「えぇ…、何してるのか全く分からないわ…」
通話を終えた2人はただ茫然とその光景を見る。
「…きた…! ロック、解除!」
パチン!と先ほどピクリともしなかった扉が勢いよく開いた。
「クリス、ゴールド、行け!」
「え、先輩は?」
「まだここの扉の制御を取り戻しただけだ。リニアの方もやらねえと。」
「…、ポケギア、ここに置いておきます。」
「あぁ。…頼んだぜ。」
ダッっと後輩2人は勢いよく出ていく。
「…ふう…。」
ぱっとクリスが置いていったポケナビを見れば、グリーンから着信が入っていた。
(この面倒な時に…)
「なんだよ、どうした?」
仕方ないので耳に当てなくても会話できるようにしながら、再びパソコンと向き合う。