episode 2

□所有者としての
3ページ/3ページ

「…図鑑が今手元にないから何だというんだ!お前は勝手に”所有者”で無くなった気でいるようだが、俺たちは違う!」


「ッ、!」











「この3年、レッドは傷を治療しながら。ブルーも修行をしながら。そして俺もジムを経営しながら、ずっとお前を探し続けた!皆、お前が帰ってくるのを待っていたんだ!!」










彼が怒鳴るなどという行為は、珍しかった。








「…そうだぜ、ライト。」







それに続けた赤い目も、更に言う。






「…お前がブルーに図鑑を渡したことを咎めてる奴なんて誰もいない。だから…、帰ってきて、くれねえか…?」


「…、」






思わず、息を呑んだ。






「今、俺たち3人を除いた5人の図鑑所有者達は、もうそれぞれウバメの森で戦ってる。行こうぜ?チャンピオン様よぉ。」






赤い目は、
ふざけたように、でも真剣に。






それに続けるように、手を差し伸べてきた緑の目。







「…、」







(良いのか?)






思考が、行動を止める。






(俺が、この手をとって。あの場所へ帰って。あの場所で…、戦って。)







いずれ、3年前に使ってしまった”あの力”を求めた戦いに、巻き込むかもしれない。







彼らが、俺の正体を知ったら、どうするだろうか?






色んなものが、こみ上げてきた。






だが。











「…迷惑、かけてすまなかった。急ごう。」
















力強く、グリーンの手を、とった。
次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ