episode 2
□名前
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「え…、?」
一瞬、否、今も何が起きているのか分かっていない。今、彼は何をしている?
「俺さ、お前のこと好きだったんだよ。」
「…は、え、…え?」
どうしていいのかわからない。
これは、一体、?
「あ、…えっ…と、その。」
だって、そんなことを言われたことは、一度たりとも、なくて。
「メタモン、とれよ。」
「え、や、だよ。」
「とれ。」
「…」
なんとなく威圧されているような気がして、しぶしぶメタモンをボールに戻した。
「…綺麗だ。漆黒の長い髪も、白い肌も。声も、全部。」
「ちょ、やめろよいきなり…!」
「あ、でも口調は直せよ。お前女だろ?」
「…」
思わず、呆然とした。
「帰るぞ。ライト」
普段表情を崩さない彼が、優しく笑っているように見えた。加えて、再び優しく差し伸べられた手は、とても、眩しくて。
「…」
「?何か言ったか?」
「…レイラ」
「…?」
「俺の…、…私の、本当の名前。」
レイラ
レイラ・ジョーカー