Bouquet Of A Freesia
□エピローグ
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「行くよモンド、魂の共鳴。」
『おう。』
若き少年少女を眩い光が包む。
「それじゃ、御霊頂戴。」
ガン!と標的ごと壁を打ち抜く音が響いた。ガラガラと崩れる壁の中に、淡く浮かぶそれは、魂。
「あれ、これで何個目だっけ?」
『50ぐらいじゃねーか?』
「ちゃんと数えてないとダメだねえ…また行った任務振り返らなきゃ。」
『死神様が教えてくれるんじゃねーの?』
側から見れば、自分の背丈ほどもある大槌を背負った黒い装束の少女が1人で喋っているように見えるが、声は2種類、男女のもの。
槌が光に包まれると、人の姿へと形を変える。
「ま、99個集めたら死神様が対魔女用の任務を勧めてくるでしょ。」
「それもそうだな。」
少女と同じく黒を基調とした服を纏った少年は、むんずと魂を掴むと迷うことなくそれを口へと放り込んだ。
「…ねえ、魂って美味しいの?」
「あーーーうん、噛み応えあっていい感じ。」
「…へえ…。」
「さ、帰るぞ。」
「ん!」
これは、99個の鬼神の卵と化した魂と、1つの魔女の魂を集める少年少女たちの物語。