逃げ続けると、そう決めたから

□補習
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「…今すぐこの場から消えてなくなりたいです。アーメン。」


「馬鹿なこと言ってないで早く済ませろ。」


「けっ、頭の"良い"奴はいいよね!」


「…お前だって"悪い"訳じゃないだろう。」




…大城戸学園二号館三階
2-10組教室内にて。




今この教室内で行われているのは、




「なんだよもぅ!無能力者判定受けた奴がこんなん出来る訳ないだろ‼」


「言い訳は無用だ。早くやれ。」


「鬼!悪魔!女の敵‼」





"補習"である。






中にいるのは、
大城戸学園が誇る大能力者のグリーンと、大城戸学園屈指の補習大魔王、無能力者であるレイラだ。




「早く終わらせないと次の補習科目の奴と時間が被るぞ。」


「だって無理だろ!透け透け見る見るなんてそれこそ昨日の透視能力者じゃない限り出来ないから!」




※透け透け見る見る
≫トランプ式のカードの裏から何が書いてあるかを当てるゲーム




「…じゃ、コロンブスの卵にするか?」


「ごめんなさい透け透け見る見るでお願いします。」




※コロンブスの卵
≫市販の卵を触れずに直立させて維持させるゲーム。念動系能力者じゃないと絶対に出来ない。




「というか何故補習グリーンが担当な訳?エリカ先生は?」


「急用だそうだ。早く終わらせて帰るぞ。」


「そう思うなら見逃してくれ。」




透け透け見る見る開始からもう1時間が経過しているが、透視能力なんていう素敵な能力は所持していないレイラに透け透け見る見るができる訳もなかった。




「…ハートのエース。」


「違う。クラブのエースだ。」


「…スペードの3。」


「違う。ハートのエースだ。」


「ダイヤの5」


「違う。スペードの3だ。」


「…出来る気がしません。」


「…ふんばれ。」
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