Bouquet Of A Lily bell
□たまには武器を置いて?
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その後、ゼン殿下は一度白雪どの達を奥に連れていくために戦線から離脱。その間に、側近どのと協力し鉤爪を片付ける。
『三日月、肩の傷どうした。』
「あぁ…船でちょっと。白雪どのをお守りした時に。」
『…そうか。』
木々どのとミツヒデどのは阿吽の呼吸で見事なコンビネーションだ。オビどのはそこを邪魔せぬよう、且つ的確に敵を排除している。さすが王子側近方、確かに強い。
「ところで、どこまでやっていいもんかね?」
『そうだなあ…。』
というのも、魂をとっていいのか、否か。
正式な依頼ではないし、鉤爪の魂は言うほど堕ちきっているわけでもない。私達が相手にするレベルではないのだ。
「派手にやってるな。」
戻ってきたゼン殿下は、スラリと刀を抜くと、相手を殺さず戦闘不能にしていった。つまり、そういうことか、とそれに倣い殺すまではしなかった。
「…殿下。船にまだ数名残っています。」
「ほう、便利だなその能力。…1人も逃すな。」
…こうして、白雪どの達は無事救出され、タンバルン王国で起きた事件は王子一行が勝利を収める。任務外の行動に私達は死神様に少しだけ怒られる事になるのだが、タンバルンとクラリネス、両王子からのお礼の言葉で帳消しだ。
「…では、私たちはこれで。」
鉤爪の護送が終わり、タンバルンへ帰ってきた私とモンドは、王子達に別れを告げる。
「いや、待て。」
それを止めたのはラジ王子だった。
「まだ本来の依頼を遂行していない。帰るにはまだ早いぞ。」
「「………え?」」
To be continued……